春に囀ずる-4
やっと離れたハルの唇はグロスを塗ったみたいにてらてら光って真っ赤でプルプルしてる。
熟れすぎたサクランボみたい。
今にも弾けそうなくらい甘い蜜で熟した、おいしそうな唇。
それをみる私も、ひくんひくん欲しがってるのが自分でわかっちゃうくらい…さっきのキスに感じてた。
「俺、別れない。紗英さんと一緒にいたいから……紗英さん、言って?思ってること言ってくれたら、あげる」
「な、…にを?」
「思ってること、言ってくれたら、その分だけさっきみたいなコトしてあげる」
私はもう息も絶え絶えで負けそうなのに、まだ負かしたいか…っ!
プライドが意地はって、ジレンマだってハルを撥ね付けようとしたがる。
でも……我慢できない
だって本当はずっと、体も心も、私全部でハルが欲しい、欲しいの
ハルをちょうだい
ハルでいっぱいにして
「ハルのバカ。…ヘタ、レ!……っ手だせ」
急に可愛く素直なんてなれない。
溜めた悪態をつくしかできないで、首に口づけたまま、触れるか触れないか危ういくらいで背中を撫でられる。
ちゃんと触って。
めちゃくちゃにして。
ハル、ハル…ねぇちゃんと言ったら、くれる?
「私…っそんな、魅力!なっ…い、のぉ」
ずっと言いたくて言えなかった本音。
その瞬間荒々しくブラのホックを外され、勢いで床に倒れればシャツもセーターも強引に捲られる。
冷えた空気にすら、肌が粟立ちそう。
体全部がハルを待ちわびてる。
「もっと。他は?」
ハルがしゃべるたびムキダシの胸にかかる息が焦れったいのにゾクゾクしてじゅわって溢れる。
「ハル…キス、しか…ッしない…し、っぅあ!なのにぃ…感じちゃっ!」
左胸は舐められて撫でられて触れ方もやさしいのに、右胸は形がかわるくらい握られて揉まれて摘ままれて、全然正反対なのにどっちもすごくキモチイイ。
熱い息がかかりながら、ピチュピチュ音がして恥ずかしいのに気持ちいいのが困る。
「ハ、ルはぁ…っ!私じゃっ!い、や…かな、てぇ!連絡きった、のぉ…はぁっ、んぅ…ひゃ確めぇ…!〜〜っるのぉ怖か…っ!ふぁんっ」
ほとんど泣きながら言って、そのたびにもらう愛撫は気持ちよすぎるくらい気持ちいい。
「年上だか、っりゃぁん…言っ!ていぃの…かぁっ…て!はるぅ…」
思わず体をよじると、グチュンッ!!とわかりやすすぎるくらい大きな音が鳴った。
「ねぇ紗英サン…?さっきの音なんだろ?」
どっちの胸も焦らすようにたださらさら撫でるだけで、なのにねちっこく耳元できくハルはずるすぎる。
耳を唇ではさむみたいにされて、かかる息も触れる舌もやらしすぎる。
「や、だ…ぁ…わかん、な…」
何て言えばいいのかわかんない。
恥ずかしくてわかりたくない。