春に囀ずる-3
「久しぶり。お邪魔していい?」
何?何コレ?
自然すぎる久しぶりに会ったノリ。
確かに一ヶ月ちょいぶりだけど……
連絡とか、あるわけないし、しなかったし…
私、ちゃんと着拒否してたよね…?
なんて頭がぐるぐるしてる。
「……え、あ、は…うん久し、ぶり?なんで…」
ここにいるの?
そのくらいハルは自然すぎた。
「あー寒い。紗英さん俺お茶のみたい」
ほら、手冷たいの。
と頬を撫でられて、冷たいそれだけでアソコがきゅうっとひくつく。
……やだもう。
まだ好きか、私…。
いや、発情期か?
とにかくいい加減諦めろ。
しつこいオバサンなんてみっともないんだから。
ハルは普通に部屋にあがって、座って、…私も普通にお茶の準備なんてしてる。
「ハル、お茶おまた……ちょっ?!何?!何して…っ!やだっ返して!!」
「はい」
あっけらかんとしたハルがわけわかんない。
「……何、勝手に携帯、みてんのよ……」
ズズーーッッ……
とお茶すするのも場違いすぎる。
「もうしないよ?」
「当たり前じゃない!何言って…!」
「紗英さんが悪いんだろ。やっぱりとは思ったけど…何なの?」
「どうみてもハルが悪いでしょーが!私が何したってのよ!」
「ちゃーくきょーひ」
……………あ
「ぁ、…の、別れたくって…したって、いう、かね…もう、ね」
オバサンにフラれるのがイヤなら、今すぐハルからフレばいい。
中途半端に愛を嘯いて、手も、だして…こないくせに。
早くふってほしい。
傷は潔いほど治りが早いから。
もうなんでもいい。
終りたい。
「ふーん…わかった」
ほら、終わり。
それでも予習したはずの別れは、想像よりずっと痛かった。
泣きそ……。
「でも俺はやだ。絶対に別れてやんない」
予習になかった答え。
わけがわからなくて問いかけようと開いた口がハルにふさがれる。
いつもとちがう。
ぶつかって噛みつくみたいに強くて激しいキス。
唇をびしょびしょにぬらして、ジュクジュクやらしい音がなるのが恥ずかしいのに、離れたくなんてない。
舌を擦られて吸われて、ざらざらし合ってるのがゾクゾクするくらい気持ちいい。
ヂュルヂュル私が吸われてとろとろハルの味が口に流れてくる。
口のなか全部探られて、歯を一つ一つなぞられてる。
そんなふうにされたら…………もうだめ。
唇も痛いくらいジンジンしてびりびりする……