二個目の苺〜アーモンドクッキー〜-19
「私…は、愁さんが、好きです」
どうしようもないくらい、好き
苦しくて仕方ないのに、それ以上にこの人を求めてる
なぜだか涙がこぼれて止まらない
愁さんの表情は変わらず、私を冷めた目で見る
「僕を手に入れたと思う?」
「そんなこと…思えません」
「そうかな」
穏やかに私を見る鋭い瞳
「きっと私には、愁さんの心は、永遠に手に入らないと思い、ます
でも愁さんが私から離れていくまでは…そばにいたいんです」
愁さんは珈琲をカップに注ぎながら少し笑った
「やめてくれ、その言葉は信じないよ
それに、僕は君から離れないよ…君が要らなくなったときは、この手で消してしまうだろうからね、
今度は…本当に」
それでもいいのか、とその目が言っている
愁さんの言葉は嘘でも本当でもない気がしていた
…あなたは私を、本当に殺してくれるの?
あなたのその瞳は、私を通り抜けて別の人を睨みつけているのに
あなたの目は私を見ない
あなたが本気で憎むその人に、私は心から嫉妬する
…あなたはきっと、そんな激しい感情を私に向けてはくれないでしょう…?
私は席を立ち、愁さんに抱き着いた
愁さんは渇いたキスを私にする
あなたの闇は、私には見えない…暗くて深くて、すぐ前も見えない
でも…
…愁さんの瞳を見てしまったときに、きっと運命は決まっていたんだ
私はあなたと共に、どこまでも堕ちていくのだろう
…そうなりたいと、
私の本能が願ったから…