ロボット「アイ」-2
「フェラチオの最中は、う○ちをじっと堪えて。
そして、同時にイクの。
気持ちいいわよ。」
哲郎はこの美しい69型の以外な言葉に違和感を覚えながらも従った。便意を堪えてファラチオに集中していると、性感の上昇とともに便意も上昇した。射精を引き金に、こらえにこらえた排便が始まった。これが普通の射精とはまったく異なる感覚だった。びゅるびゅる、ずぼずぼと排泄が続くと、体中の力が抜けていき、射精の、排泄の、感覚と振動、痙攣がダイレクトに体の中に湧き上がる。違和感も大きいが、ありえないこの感覚を、もう一度味わいたいと素直に哲郎は思った。
数日で哲郎の生活は、大きく変わった。生きているのが楽しい。69型と過ごす時間は、何気ないやりとりまで、その全てに生きている実感を覚えるのだ。
また、哲郎自身も数日で政府の危惧は間違いないと実感した。それは夜の営みを中心に、生身の女性ではありえない形、ありえない関係が生まれてしまう。そして、それは生身の女性には不可能で、哲郎はそれを手放すことは出来ないことが分かっていた。
ある夜、69型が哲郎に迫り、激しく哲郎の舌をむさぼった。その日は69型と買い物に出たのだが、その時、哲郎がミニスカートの女性に見とれていたと言うのだ。
「哲郎。あの子のことが気になるなら、一度だけさせて上げる。
でも、一度で忘れて。お願い。」
言い終えると69型はその女性に変身していた。長い髪、顔立ち、ミニスカートまでそっくりだった。69型は哲郎の耳元で呟いた。
「後ろから犯して。」
言い終えると69型は背を向け、テーブルに手を付いた。
小さめのヒップを薄い布が包み、そこから細い足が見事に伸びていた。更に細い足首を支えるハイヒールは10センチ近い高さがあった。
振るいつきたくなるような見事な眺めだった。哲郎は激しい興奮の中で69型の言葉を冷静に受け止めていた。目の前の女性に優しくしては69型の気に障る。ここは69型の言うとおり荒々しく犯した方がよいのだ。
哲郎は、女性のミニスカートをたくし上げ、ショーツを剥ぎ取ると、一気に進入し突き上げた。女性の首を後ろに曲げて唇を貪り、女性のことなどお構いなしに腰を振り、膣深くに精液をぶちまけた。
優しい性格の哲郎は、女性を気遣わずに自分の思いだけを遂げることなどできはしない。それをしたのは、69型の望みであり、目の前にいる美しい女性がロボットであることで、心のブレーキを外すことができたのだ。そしてその快感は、哲郎の予想以上のものであった。
行為を終えると哲郎は69型に元の姿に戻るように言った。
「うれしい!
彼女のことを、あんなに熱くみつめていたから。
そのままの姿かと思った。
本当に嬉しい。」
哲郎は、素直にはしゃぐ69型を、本当に可愛いと思った。
その夜、哲郎はロボット法で禁じられている行為、「人名をロボットの愛称とする」ことを決めた。愛らしい、愛すべき、愛情あふれる「愛」この子はアイだ!
「アイ。お前の名前は今日からアイだよ。いいね。」
「アイ?わたしの名前?アイ?」
「わたしはアイ。」
愛は、哲郎に向かって微笑んだ。
プログラムにあるはずの無い自分の名前に、愛は喜びの表情を見せたのだ。