友達以上、恋人未満。-2
スラっとした身長。
程よく筋肉の付いた、バランスの取れた体型。
母性本能をくすぐる大きな目。
整った顔。
人懐っこい性格。
一際目を引く凌が、校内で人気者になるのはあっという間だった。
「好きな人が出来ないから色んな女と遊ぶ」
そう公言して、毎日違う女をハベらせて居た。
志保も凌と“オトモダチ”になるまで、そんなに時間を要さなかった。
気持ちは無いと知りながら何度も身体を重ねる。
「もしかしたら自分が“特別”になれるかも」
そんな期待を胸に。
気付いた時には深みハマった後で……
「志保」
名前を呼ばれる度、寂しさで涙が溢れそうになりながら、求められる温もりに依存した。
−−−−−
『ちょっと志保ッ!凌から聞いた?!』
翌朝の学校で駆け寄って来たのは同じく
“凌のオトモダチだった”
美果[みか]。
『あぁ聞いたよ』
『好きな人が出来たなんてマジ有り得ねぇって!!!』
長い巻き髪を大きく振りながら美果が床を強く蹴り付ける。
『有り得ないけど…、好きな人が出来るまでの割り切った関係だったし』
志保は無関心を装い携帯をイジる。
『そうだけどさぁ…。志保は悔しく無いの?あんな女に凌取られて!!』
『あんな女……?』
そういえば志保は凌の相手を知らない。
『凌のクラスの石井だよ!!あのワカメみたいな黒髪ロン毛の地味女!』
『あー…、居たような』
凌のクラスに行く度、教室で静かに本を読んいた人かな?
志保が記憶を辿る。