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ある日の昼下がりに…
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ある日の昼下がりに…-1

雨が降りしきる昼下がりのことだった…

ピーンポーン…ピーンポーン…

〈は〜ぃ〉
そういって高木豊はドアをあけてみると、そこには165?ほどの小柄な男性がたっていた。

〈え〜と、どちら様…〉

〈すみません…警察の馬場というものですが…昨夜このアパート付近で殺人未遂事件が起こりまして…犯人は逃走中ですが再度現れる可能性もありますので…ご協力ください。あっなぜ私服なのかって?もし犯人が僕達をみていて狙われていたら困りますからね〉

豊は突然のことで驚いたが、すぐに状況を理解して
〈何の役にも立てないと思いますが…何でもお聞き下さい〉と言った。

そこで馬場はゆっくりと話を始めた
〈昨夜狙われたのはあなたと同じアパートの青木さんという女性です。御存知ですね。青木さんは犯人の顔はよく見えなかったが男性だということは分かったそうです。そこでこのあたりで昨夜怪しい男をみかけなかったか聞いてまわっているん…〉

〈ちょっと待って下さい〉
豊は馬場が言い終える前に口をだした。
〈もしかしてあなたは僕が犯人だと疑っているんですか。それは気分が悪い…おひきとり下さい。疑われていては答える気になりません〉

〈いやいや。疑ってるわけではありません。ただ確認だけはしておかなければなりませんので…何しろこのアパートには男性があなたを含めて二人だけですから。すでに、1人はアリバイがあることを確認しました。昨夜は出張で、帰ってきたのは今朝の8時頃ということでした。彼が出張だったことは上司にも確認しました。あとはあなたの確認だけです。あなたは昨夜何をしていましたか…?〉

〈ずっと家にいました。これでよろしいですか。〉
豊は不機嫌そうに答えた。

〈夜は一度も家を出ていませんか。〉

〈はい、昨日は音楽番組のスペシャルがあったのでそれを見てそれからすぐに寝ました。〉

〈そうですか…はっきりしたアリバイとは言えませんね…〉

〈やっぱり僕を疑ってるんだ。俺は何もやってない。〉
豊は大きな声で言った。
〈もう帰ってくれ。俺は本当に何も知らないし、気分が悪い〉

〈申し訳ありません〉
馬場はそう言ってから
〈では最後にもう一度お聞かせ下さい…あなたは昨夜怪しい男をみていませんね?〉と尋ねた。


〈はぃ見ていま……せ…〉
そういいかけて豊は急にそわそわしはじめ、目線は馬場の頭の上を泳いだ。


〈どうしました〉
馬場は驚いて聞いた。



〈僕、怪しい男を見ました…〉
豊はおそるおそるそう言うと、馬場の方を指差した。

〈高木さん落ち着いて下さい…なぜ僕を指差すのです。僕は警察ですよ…〉
馬場は驚いてそう言った。




〈い…い…え……あなたを指差しているのではありません。〉
それから豊は深呼吸をして
〈あなたの後…〉
と言った。


馬場に悪寒がはした。
そしてゆっくり後を振り向くと…
そこには185?ほどの包丁を持った男が立っていた。

それから恐る恐る顔あげるてみると…

出張に行っていたと話していた男がニヤリと笑っていた……


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