おまえのすべてを奪いたい-2
「りょ…へ…だめ…」
「だめじゃないだろ」
涼平が耳の中に舌を入れ、ぴちゃぴちゃと舐め回す音と、かかる熱い吐息に美月の頭は何も考えられなくなった。
涼平は美月の耳を愛撫しつつブラウスのボタンを外していく。
美月は思わず涼平の手を押し留めるが力の入ってない指では何の抵抗にもならなかった。
「りょ…へ…ぃ」
吐息混じりに呼ばれて、涼平の欲望は止まるどころか更に高まる。
「美月…」
キャミソールとブラのストラップを肩から滑り下ろした。
「きゃっ…」
美月は慌てて腕で胸元を隠した。
「涼平…恥ずかしいよ…」
涙ぐむ美月の目にキスを落とし首筋をペロッと舐める。
「あっ…ん」
弛んだ腕を左右に開き首筋から鎖骨までを唇で吸いついた。
「涼平っ…」
身体全体を紅潮させる美月に涼平は我慢出来なくなり、キャミソールとブラを一気に引き下ろそうと手をかけた瞬間だった。
ドンドンドン!
「谷川先生!」
理科の他の教師らしき人物が荒々しくドアをノックし扉を開こうとガタガタしている。
思わず悲鳴を上げそうになった美月の口を慌てて抑えた涼平は息を殺して立ち去るのを待った。
こんな所を見られたら、美月が退学、よくても停学になってしまう。
自分はクビになっても他の仕事に就けるだろうが、美月を巻き添えにする事だけは避けたかった。
涼平が不在だとようやく諦めたのか
「どこ行ったんだろなぁ」
などと言いながら去っていったのを耳をすまして確認し美月の口から手を離した。
美月は大きく息を吐いている。
「びっくりしたぁ…」
まだ寝たままの体勢で目をクリクリさせながら言う美月の手を引っ張り机に座らせた。