投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿
【ファンタジー その他小説】

電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿の最初へ 電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿 26 電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿 28 電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿の最後へ

電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿 ―争い編―-12

「真琴真琴、次あの店行こぉー!」
「あんた本当に色んな店知ってるよね……」
 真琴は呆れて美由貴を見る。意外と服のコーディネートは巧いのだ、メイクはピエロなのに。
「あぁ、テスト大丈夫かな……」
 テストははっきり言って散々だった。どうも真琴は成績争いに敗れる運命にあるようだ。
「大丈夫大丈夫☆ ほら、こんな服どう?」
「明らかに子供服。あれか背の低さが悩みのアタシに対する当てつけか?」
 あの後、あの家族がどうなるかは分からない。真琴に出来ることは全てやった。後は立ち直れると信じるしかない。
「はあ、疲れた」
「んでね、今からねー。面白い服あるとこにい」

 ゴーン!

「うわっ!?」
 白い何かが唐突に美由貴の頭にぶつかった。あまりに唐突過ぎて、とりあえず美由貴の頭を触る。
「はらほれひれはれ〜(痛)」
「あ、大丈夫そう。まあ今よりパーにはならないよね」
 勝手に納得し、白い物体に目を向ける。
「猫?」
 いや、明らかに違う。頭は確かに真っ白なチンチラみたいな感じだが、猫は背中にコウモリみたいな羽根を生やしたりしないだろう。その羽根も白く、薄い部分は透けて薄桃色になっている。
 手らしきものはあるが、指や爪はなく、全体的に丸いのが、白く長い毛に覆われている。
 そして何より、
「うー、痛いです。乱暴過ぎますですよー」
 人語を話す動物に、真琴は会ったことがない!
「な、なにこれ?」
「プクトぉぉ!!」
「おわっ!?」
 美由貴がいきなり白い生物らしきものを抱き締める。プクト、と呼ばれたその生き物は酷く苦しそうだ。
「放してくださいー!」
「久しぶり久しぶり☆ やったぁ十年と三十二ヶ月振りに会えたよぉ♪」
「…………えっと」
 なんだかよく分からないが、とりあえず。なんとなく、この生き物を神社に置くことになりそうな気がした。


電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿の最初へ 電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿 26 電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿 28 電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前