二個目の苺〜ビターチョコ〜-6
「私、全然そんなじゃない…紺君の苦しみの全部を分かってあげることも、なくしてあげることもできない
ただ紺君の笑った顔が見たいって、そう思ってただけ…」
紺君が私を抱きしめる
「それで十分だよ
杏子さんは気付いてないところでいつも僕を満たしてくれてるんだ…
…ありがとう」
紺君が私に優しく口付けた
いつもの様にすごくゆっくりと…
「んぅ…ふっ…」
深く舌が絡み、頭がぼうっとしてくる
「杏子さん…綺麗だよ」
「紺く…ぁっあぁ…」
紺君の唇が下降し、首筋にそっとキスをした
紺君は平気な顔して話していたけど、すごくつらかったはず…
…ううん、きっと今でも苦しいと思う
私には見えないところで、もしかしたら紺君も気付いていない部分に、重く沈んだものがあるかもしれない
私にはそれを消してあげる力はないけど、せめて…せめてどんなときも何があっても紺君と一緒にいよう
紺君が、一人でいるときすら涙を流せない状況にならないように
もう一人で全てを心に押し込んで、哀しい笑顔をつくらなくて済むように…
「紺君…私は、いつもここにいるからね」
私は紺君の髪に触れる
「うん…」
紺君は本当に嬉しそうに微笑んだ…
***
なんでこのひとは僕の心を満たす言葉を知っているんだろう
今までが不幸だったとは思っていないけど、杏子さんに出会ったことでこれまでの全ての哀しいことが、意味あるものだと思えた
渇いていたものが息を吹き返していく…
「杏子さん…」
僕は服の上から胸を撫で、少しずつ服を脱がせていく
どちらからともなく、キスをした
「んんっ…ふ…」
舌を奥に深く絡め、僕の手は杏子さんの胸に直接触れる