二個目の苺〜ビターチョコ〜-2
最初はお互いに遠慮していたが、二人共絶叫系のアトラクションが好きだと分かり、すぐに走り出した
こんな些細なことも、一致すると嬉しい
何回も連続して乗ったあと、昼食をとることにした
私は早起きしてつくってきたお弁当を広げる
「わぁ、すごい!」
紺君が目を輝かせ、私は誇らしい気分になる
「料理は得意なの。嫌いなもの入ってたら言ってね」
「大丈夫。僕好き嫌い無いから」
紺君が口をもごもご動かす
「それにしても紺君が絶叫マシーン好きだったなんて、意外」
「杏子さんこそ、でしょ」
「そうかなぁ。唯なんか私よりももっと好きだけどね」
「へぇーそうなんだぁ。
…あ、ねぇ杏子さん」
紺君はいたずらっぽく笑った
「何?」
「竜はね…絶叫系すぅごい苦手なんだよ」
紺君の言葉につい吹き出してしまい、二人で笑った
いつか唯達が遊園地に行くことになったら…同時に想像してしまった
「唯の性格なら無理矢理乗せるかもね」
「いや、まず竜は見えっ張りだから、苦手なこと隠すと思うよぉ」
二人でずっと笑い合い、あっという間にお弁当は無くなってしまった
「次、どうしよっかぁ?」
「ご飯食べたばっかりだし、ゆっくりなの…
そうだ、観覧車乗ろうよ」
「いいよ、行こっか」
紺君はそう言ってさりげなく手を繋いだ
私がつい大きく反応すると、にこにこして指を絡めた
***
「観覧車なんて久しぶり」
「僕も」
前に乗ったのは…あまり記憶がないときだ
「わぁ、見て。高いねー」
頂上まで来ると、杏子さんは小さな子供の様にはしゃいだ
…なんて眩しい人
低い暗闇の中に落ちてしまった僕でさえも、照らしてくれる
杏子さんは振り返ると、僕を不思議そうに見た