命令××、拒否権なし!-7
「んあッ……あッ、あ、ああ……入ってるぅ……ッ」
規則的な律動。
でもちっとも飽きることのないそれに、あたしの意識は次第に飛ばされていく。
「ひッ、は……ん! ああッ!」
腰を引き寄せられ、腕を掴まれ、激しくがくがくと身体を揺さぶられる。
ぐいっと奥までねじり込まれるように南野のものが入ってくる。
南野の熱い吐息とぐちゅぐちゅという淫らな水音、肌と肌の叩き合う音。
耳に届くすべてがあたしの耳朶を犯し、興奮を煽る。
ぐちゅ、じゅぷ……ぐちゅ、ぐちゅ――
「んッ、んッ……も、らめ……!」
「よっつめの命令」
ついに呂律が回らないほどになったあたしに、南野は言う。
「夏樹って呼びながら、イッて」
「あッ、あッ……な、つき――ッ!!」
「――放課後は教室で、な♪」
「ん……嬉しいけど、今日の南野元気すぎ」
激しく抱かれたせいで、あたしの身体はだるくて仕方がない。
少しだけ不満げに言うと、南野はにやりと口の端を吊り上げて、切り札を出してくる。
「これ、いつつめの命令」
やっぱり、どこまでもずるい。
あたしは頬を膨らませるが、南野はあたしが拒まないのを知っていて、気にした様子もなく頬に軽くキスをしてくる。
それが妙に心地よくて。
無意識なのか分からないけれど、南野って激しいのが好きなくせに、こういうことしてくる。
あたしはそういうところにすごく弱くて。
「拒否権なんて、元からないようなものだよね」
あたしはぼそりと呟くように言った。
そして、傍らで首を傾げる南野の膝に乗り、キスを求める。
ついばむようなキスの後で、あたしは南野の頬を撫でながら言った。
「放課後は、優しく……して?」