今夜、七星で Yuusuke’s Time <COUNT1>-9
「…やっ…!!」
「結構、着やせするんだ。触らせないのはもったいない」
唇をもぎる様に離し、力強く抵抗して俺を突き飛ばす。
キスに酔ってた癖に、あっという間に元通り。潔癖さんは相変わらずだ。
軽く唾液が零れた唇を拭い、俺は馬鹿にした様子で笑った。
「最っ低!!」
飛んでたきのは聞き慣れた言葉と平手。
ばちん、と軽く頬が鳴った。
叩くのに慣れてないのか、初めてなのか。
平じゃなくて指先で叩くから、爪がまともに肌に食い込み赤い線が出来た。
そのうち血が滲み、椿の表情が白くなっていく。
「いってぇ……チ×コ入れてない女に殴られたのなんて初めてなんだけど」
いきなり怒る、叩く、俺を認めない。
そんな椿を俺はへし折ってやりたくなった。
絶対、捕まえて、モノにして、最後はグシャグシャにして棄ててやる。
他の女とも飽きてきたし、樹里さんとも未消化な感じが残るし。
ぶっ潰してやる。
「でもさ、樹里さんとは気まずくなりたくないよね?」
「は?」
「…俺が樹里さんに、椿さんとやらしーことしたなんて言ったら、椿さんすっごく気にするんじゃないですか?」
今すぐ押し倒せる。
そう含ませようと思ったら、何故だか気を動転させている。
潔癖なのは女友達にも、ってやつ?
「やだ! お願い、言わないで…」
「やっぱり、気にするんだ…」
どうしようかな。
今突っ込んでヤッちまったら話は早い。
だが、ただのキスにあたふたと動転し、しまいには樹里さんに知られるのを恐れる始末。
軽く涙目になる表情。
ホント、この人わかんねー。
「一発ヤラせてくれたら、言わない」
「えっ…?」
「ヤラせてくれたら言わない、って言ったんですけど?」
脅しに100%屈すると思う。俺は確信して告げた。
俺の予定通り、椿を手折る。
犯罪に近いこの衝動を、押さえることは出来なかった。
「それとも、何? セックスは好きな人としかしちゃいけない…なんて思ってます? 椿さんだって、ほんとに好きな人としてるって確信ある?」
細く笑んで俺は盛大に盛り上がるフロアへ足を向ける。
「考え…させて下さい」
そう小さく呟く声が、静かなレストルームに響いた。
「オッケー。じゃあ次の金曜までに決意を固めて下さいよ。連絡先は樹里さんに聞いてくれますか?」
背中を向けて言葉を投げ、俺はフロアへと向かう。
多分青くなっているだろう、そんな表情は見なくても解る。
馬鹿な女。
溜息と共にキール・ロワイヤルのシャンパンの香りが咥内に漂う。
馬鹿なのは俺も同じか。
ひりひりと痛む頬を撫でながら溜息をついた。