今夜、七星で Yuusuke’s Time <COUNT1>-4
深夜二時を廻り、タクシーで樹里さんの住む四ツ谷まで向かう。もちろん隣には酔って艶っぽくなった樹里さんを乗せて。
時折耳たぶをかじり、キスを交わし、チラチラと興味深い視線を送るドライバーに笑いかける。
我慢できなくなって膝に手を這わすと、ストッキング越しの蒸れた太腿の感触に身震いした。
わざと膝を開かせるとドライバーの目が見開かれる。むっちりとした太腿の奥は暗くて全く見えないが、甘酸っぱい匂いと雰囲気は確実に伝わったかと思う。
「意地悪……しないで?」
怒ったのか恥ずかしいのか、樹里さんの妖艶な唇が尖る。だけどその言葉はとても甘くて、いやらしい。
性にオープンな樹里さんは、そう言いながらも楽しんでいる筈だ。
「俺、待てないよ」
クスクス笑う樹里さんの耳元に甘えた声で囁く。
少し固くなったジーパンの前を、樹里さんは優しく撫でながら笑う。頑張って、そう囁きながら。
本気と冗談と常識を兼ね備えた樹里さんは、分別がある。
俺だったら、欲情したらバーのトイレだって今このタクシーの中ででも押し倒しす自信はあるけど、相手が樹里さんだとそうは行かない。
「早く、入れたい」
そう言って煽っても、何食わぬ顔でドライバーに金を払う。
四ツ谷のマンションの下、深夜の風は冷たく、欲情して火照った体を冷やしていく。
「行きましょ」
するりとオートロックの扉を擦り抜けエレベーターへと乗り込む。
お互い黙っていた。だけど気持ちは高揚している。
ふれるくらいの近さ。お互いの息遣いや匂いに燻っていた火種が燃え上がる。
定員11名の小さな箱がするすると上がっていく。
三階、右の壁沿いに五つ目のドア。
入った瞬間、俺達は貪る様に口付けを交わした。
キスは好きだ。
唇の薄い俺は、ぷっくりと膨れた女の唇に魅力を感じる。
唇を合わせ、互いの舌を絡み合わせ、唇ごと食べ尽くすようなキスを交わす。
唇を離した後も舌を伸ばして舌同士を愛撫すると、俺のモノも固く上を向く。
「……っうぁ、…んうぅっ……」
はふはふと熱い息を吐きながら樹里さんが応える。キスをしながらリビングの真ん中まで移動し、真っ暗のままで体をまさぐる。
ジャケットのボタンを外し、シャツをスカートから引っ張り出して手を差し込む。
樹里さんの体も俺と同じくらい熱く、興奮していた。
「…はぁ、っはぁ……じゅ、り、さん……」
ブラジャーから乳房を押し出して形が変わるほど揉み、馬乗りになって首筋に唇を寄せた。
舌の平を使って浮き出た筋を舐め、顎から耳のラインを舐めると、腰を揺すって悶えている。
そんな誘いに乗って脚の間に片膝を割り入れると、タイトスカートが皺になるのも構わずに秘部を押し付けていた。
「ゆーす、け、、っあああ……んっぅ、っはぁぁあんっ、もっと、……してっ」
暗闇の中、体も言葉も全てで誘う樹里さんがいた。
負けてはいられないと手探りでひっくり返し、四つん這いにさせると上から覆うように体を密着させる。
スカートを引っ張り上げ、ストッキングもショーツも一緒くたに下げると熟れた女の匂いがした。