マッドな彼女with俺3-4
「え!?…は、はい、ニ名様ですね。
こちらのお席へどうぞ」
ウェイトレスさん、そんな目で俺を見ないで…。
俺達は窓際の見晴らしのよい席に案内された。
「ご注文がお決まりになりましたらお呼びください。失礼します」
メニューを開いて見てみるとどれもこれも美味しそうな料理が…うーん、どれにしようか?
「香澄は何にするの?」
「私はラザーニャがいいわ」
「んじゃ、俺もそれで」
「待って。だったら私、パスタとインゲン豆のヴェネト風にするわ」
「なぜ?」
「あんたと同じもの食べたくないから」
あなた俺のことどんだけ嫌いなの??
「まぁ、いいや。
すみませーん」
「はい、何でしょう」
「ラザーニャとパスタとインゲン豆のヴェネト風を一つ」
「ご注文は以上でよろしいでしょうか?」
「はい」
「かしこまりました」
ウェイトレスさんはそう言って慌ただしくて駆けて行った。
「ふぅ…私こういうレストランに来るのは好きなんだけど、どうもこうやって料理を待っている時間が無駄だと思うのよね…」
「まぁ、確かにそうだな。俺も待つのは嫌いな方だし」
「と、いうことで」
香澄がにやっと笑う。
…嫌な予感。
「料理が来るまでちょっとしたゲームしてみない?」
「ゲーム?」
「そ。
まぁ、ゲームと言っても運試しみたいなものよ。
例えば…そうね……あれを見て。あそこに今入って来た男がいるでしょ。彼の前にはおしぼりと水が入ったグラスがあるわよね」
「ああ」
「では、彼は先におしぼりで手を拭くか、それとも水を飲むか、どっちだと思う?」
「む……俺は水を飲むと思うな」
「そう?私はおしぼりで手を拭くと思うけど」
そう香澄が言うやいなやオッサンはおしぼりで手を拭き始めた。