マッドな彼女with俺3-3
「…何よ。さっきからジロジロ見て。
気が散るからどっか行ってて」
しっしっと片手を振られる。
うぅ、酷い。
とぼとぼと離れていく俺。
ん?
あれは…俺が愛して止まない星ミサトちゃんの写真集『もっとミ・サ・ト☆』ではないか!
どれどれ……おぉ…素晴らしい!
やっぱミサトちゃんは最高だぜ!!
…
…
…
…
…
…はっ!いかんいかん!!
つい眺め過ぎてしまった!
早いとこ香澄の所へ戻らないと。
えーと、あれ?
さっきいた所にいないな…。
どこ行ったんだ………おっ、いたいた!
なに読んでんだ?
ん?『週刊エロエロ』!?
って、ここ成年向けの雑誌エリアじゃん!?
なんてとこにいんだよ!
てか、すげぇ熟読してるし!周りのオッサンたち、すげぇ見てるし!しかも泣いてるし!なんで!?エロ本にそんな感動秘話があんの!?どうしよう?どうしよう俺!?そんな泣くくらいなら、それ買ってあげたほうがいいのか??
おっ、そのエロ本を持って涙を拭いながら走り始めたぞ!
一体何をする気なんだ!?
「これ下さい」
買うんだ!
やっぱり買うんだ!!
「え……えーと…は、はい。2100円になります」
店員さん、何回もエロ本と香澄の顔見てるよ!
そりゃあ驚くわなぁ…てか、高くね?
「次どこ行くの?」
「…」
「駿八?」
「あ、や、いや、なんでもないよ」
はぁ…なんかすごい疲れた。
ふとケータイを見るとすでに正午をまわっていた。
「もういい時間だし、昼飯にしようか」
「そうね。ならあそこのレストランなんてどう?」
「お、いいね。あそこにしよう」
そうして俺達が行ったのはちょっと洒落た感じのイタリアンレストラン。
お昼時ということで結構混んでいたが、待つことはなくすんなりと入ることができた。
「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」
「人間一人と奴隷一匹」
!?
あたかも当たり前のように言ったー!!
てか、俺奴隷って思われてたんだ!?