光の風 〈回想篇〉中編-21
「はい。姿は違えど、何らお変わりはありません。」
鼻をすすりながら、震える声で伝えた。そうか、と呟いた後にカルサの表情は苦々しく歪み厳しい顔つきになった。
「しかしオレは、ヴィアルアイを討たねばならない。」
金色の瞳に強い光が戻ってくる。カルサはレプリカの目線に合わせ、真っすぐに見つめた。
「それが、一番お辛いのでは。」
涙を堪えながらレプリカは訴えた。カルサは微笑む事でそれに応える。横目で千羅を確認すると、また微笑んだ。
「全部辛い。」
ふざけて出た言葉が本気かどうかは分からない。それでも彼のユーモアに空気が変わった。
「そりゃそうだ!」
合わせるように千羅が笑う。つられてレプリカにも笑みが戻った。