夢の旅-1
昨日夢を見た
一人でおっきなリュック背負って
旅をしていた
その夢は雪が降っていて
薄明かるい夜だった
外には誰もいない
多分外国の山里にある村だと思う
オシャレな外灯が家々の間にあって
そこに自分が黙々と火を付けている
一個着けたら印を刻んで
また次の外灯に火を付ける
理由は無い
ただリュックを背負って火を付ける
誰にも知られることはないし
誰も見てはいない
けど自分がやらなきゃいけない気がした
そうしてるうちに一人の男に出会った
背が高くて顔を見上げる
やはりここは外国らしい
昔見たようなロシアの長い帽子を
鼻の辺りまで被ってる
鼻が高くて帽子のストッパーになっていた
ぶ厚いコートを着て
長い猟銃を肩に背負って
すっと立っている
ここには門は無いし襲ってくる敵もいない
でも彼は立っている
彼も自分の作業に理由はいらないらしい
Can you speak English?
ここで人に会えたのが嬉しくて
僕はつい聞いてしまった
正直その男が英語を喋れるかどうかなんて
僕にはどうでもよかった
でも誰かと話をしたかった
何でも良いから言葉を聞きたかった
A little
そのうち親指を人差し指にゆっくり近付けて
彼は微笑みを浮かべそう言った
実際彼の目はよく見えなかったけれど
口はニッと笑っていた
その何気無い答えで納得してしまった僕は
THANK YOU
とお礼を言ってまた自分の作業に戻った
彼もまた黙々と作業に戻っていった
そして夢は終わった