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あなたとあたしは幼馴染
【初恋 恋愛小説】

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あなたとあたしは幼馴染-2

 学校が憂鬱。よりによって、洸輝は隣だし、朝も目は合うし。でも、話しかけてくれない。もう泣きそう。やっぱり勇気なんて出すんじゃなかった.....。
「あの...向井さん、ちょっといいかな?」
「え?」
 うしろを振り返ると、同じクラスの西田くんがいた。
「うん...いいけど」
 席を立ち上がって西田くんのあとについていく。着いた場所は屋上だった。
「俺、ずっと向井さんが好きだったんだ。つきあってくれるかな?」
「え......と」
 こういうのをバッドタイミングっていうの?でも、洸輝を忘れられるのなら、付き合ってもいいかな...。でも、まだやっぱり、洸輝が.....好き......。
「ごめんなさい。好きな人がいるから...」
「そっか。じゃあ、最後に」
 そういって、西田くんは近づいてきた。何?何をするの?ああ、そっか......。でも、洸輝に振り向いてもらえないなら...。ファーストキスなんていらない......。
 あたしは黙っていた。でも、やっぱりいやっ!!
そのときだった。屋上のドアが勢いよく開いた。そこには、洸輝がいた。
「こ......洸輝っ!?なんでここ......」
 あたしが、そういうと同時に、洸輝はあたしのことを抱きしめた。
「おまえ、何キスなんかされてんだよっ!!」
「だって......昨日告白したのに洸輝が追い出したからっ」
「俺は優のことが好きなんだよ。なんで気づかないんだよ!!

 えっ......だって、昨日、あたしのこと怒鳴って追い出したのに。ふられたと思ったのに。
「あたしも....っ洸輝のことが好き。大好き」
 そう言って、あたしも洸輝のことを抱きしめた。
「消毒」
 洸輝は一言だけ言って、あたしにキスをしてきた。大好きな洸輝と憧れてたキス。怒ってるからなのか、少し乱暴だった。
 あたしは、思わず笑った。
「洸輝、あたしと西田くんが本当にキスしたと思ってるの?」
「え.....?」
 やっぱり。洸輝は勘違いしてる。だって、あたし寸止めした。
「ちゃんと止めたよ。だから、さっきのが本当のファーストキスなんだ」
 洸輝はその場に座り込んだ。
「ったくよぉ......かっこわりぃなぁ」
「さ、行こう。もう下校の時間だよ」

「あー、また洸輝間違ってる。そこ何回も教えたよね?」
「バッカ、おまえの教え方が悪いんだよ」
「そっちがバカ」
 付き合ってからも2人の態度は変わらない。変わったことは、2つ。1つは手をつないで登校、下校すること。もう1つは、屋上が2人だけの秘密の居場所になったこと。
 あたしたちは屋上で、永遠のキスをする。


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