マッドな彼女with俺2-2
「えっ!?俺の顔そんなにそっくりなの!?ってかどんな顔だよ!!」
「きっと静谷さんなりの愛し方なんじゃない?」
「…アイスピックを投げられるのは愛し方ではないと全力で思うぞ」
「だいたい、駿八はいつも受け身的すぎるんだよ。お前自分から静谷に何かしてやったこととかあるか?」
「そんなこと言われても………ないかも」
「だろ?
それに彼女のことを名字で呼ぶ奴なんて普通いねぇし」
「確かに付き合ってるのに名字で呼ばれるのは嫌よね。そんな奴アイスピック刺さって死ねばいいのに」
蒼衣ちゃん、それは言い過ぎです。
「ま、とりあえず名前で呼んであげることだな。そしたらきっと可愛いとこ見してくれるさ」
「そーゆーもんかぁ?」
「そーゆーもんだ」
何かあんま期待できねえな。
まぁ、何もしないよりかマシか。
『何もしなかったほうがマシだった』になるのだけは勘弁だけど。
――屋上――
普通の休み時間や放課後なら人気がない場所だが、今の時間、昼休みなら話は別。
青空の下でイチャつきながら昼飯を食らうカップル共で一番人気の場所となっている。
そしてその一角にイチャつきオーラからかけ離れたオーラを持つカップルが一組。
俺、真田駿八、今回はマジで死ぬかもしれない…。
「遠慮なんかせずに食べていいのよ」
「あ、あぁ…」
馬鹿だ。
俺は馬鹿だ。
もしタイムマシンがあるのなら、『今日は弁当を作ってきたから一緒に食べよう』というメールに少し心が躍った10分前の俺に右ストレートをくらわしてやりたい。
だってそりゃあ、少しは期待するでしょ?
健全男子生徒なら誰もが憧れる『彼女の手作り弁当』が食べられると思えば期待しないほうがおかしいだろ??
…ありえない。
普通、頭よくてスポーツできてめっちゃ容姿端麗やったら他することなんでもできるだろ!
なのに…なのに……
ナンデスカコレハ????
「どうしたの?何でそんなロープで首絞められたような顔をしてるの??」
へぇ〜俺今そんな顔してんだ。