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LESSON
【ロリ 官能小説】

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lesson10-1

「よし、これで大丈夫。行こう。」
独り言を言って部屋を見回し、ドアノブに手をかける。
今日はいつもより遙かに時間をかけて掃除をした。トイレも、台所もバッチリだ。何せ、今日は大切なゲストが俺の部屋にやって来る日だ。
今日は3月12日。俺と春香が『正式』に付き合いだして三年目の記念日。
春香はもう何ヶ月も前から今日のこの日を楽しみに待っていた。
春香は今高校2年生。中高一貫の進学校である春香の学校では、もう高校の学習内容は全て終わり、部活動をやっている生徒以外は本格的に受験モードに突入している。
俺も驚いたのだが、春香は高校入学と同時にバスケットボールクラブに入った。その為、まだ受験勉強は本格的に始めていない。
良くあの両親が許可したな、と正直思ったのだが、実は父親も中高とバスケットボールをやっていたし、春香自身も小2から5まではミニバスのチームに所属していたということで、特別に許可が降りたらしい。
と言っても中学校では帰宅部、高校からだと少しきついだろう、と思っていたらそこはさすがにお嬢様学校。
周りもスポーツだけ、という感じでは無いので意外にも2年の夏からはスタメンの座を握っていた。
もうひとつ言えば、それでも春香の成績は常に上位を維持していたし、特に英語は常に学年1・2を争っているので、春香の両親もそんなに心配はしていないのだろう。
俺はと言うと、社宅は2年までしかいられなかったので、この春から会社からアパートを借りて一人暮らしをしている。
社宅から離れて一人暮らしになってからもさすがに春香を入れるのはまずいか……と思っていたのだが、3ヶ月前に転機が訪れた。
2人で街を歩いていると、お店の人に、「そこの若いカップルさん!2人でお揃いのアクセなんてどうですか?」
と声をかけられたのだ。
それは俺にとっても春香にとっても、驚きだった。
俺と春香はもちろん付き合っていたし、お互いを恋人だ、という認識はしていたのだが、他人から見ればどう見ても『兄妹』でしか無かった。
それは無理の無いことだし、いつしかそれはそれで笑って受け流すようになっていたし、どこかで諦め、認めていた部分もあった。
だが、もう一緒に肩を並べて歩けば、恋人同士に見られるようになってきている。
そしてこの事は、俺の決断を呼んだ。
「今度日が会った時、俺の家に泊まりに来ないか。」
その時の嬉しそうな春香の顔と言葉は、今でも脳裏に焼き付いている。
「うん、行く!絶対行く!!」
そして運命のイタズラか、たまたまその日が今日……つまり、付き合いだして3年の記念日となったわけだ。
何せ春香のバスケの練習や試合は無し、俺は先週土日が潰れた代わりに月曜まで休み、そしてこれが一番重要なのだが春香の両親は2人して東京に出張。夫婦で担当していた裁判が相手の控訴を受けて、ついに最高裁までもつれたそうだ。
偶然の神様に感謝の言葉のひとつも言いたくなる。
今日は天気も穏やかで、春を知らせる跡は道すがらいくつも見ることができた。
お気に入りの音楽をかけながら春香への道を疾走する。こんなに気持ち良く車を走らせることができるのは本当に久しぶりだ。
いつもの待ち合わせの公園に到着すると、既に春香は来ていて、キョロキョロと辺りを見回していた。
そして俺の車に気づくと、大きなバッグを持って走ってきた。
「すごい荷物だな?後部座席にに積むか?」
息を弾ませながら、春香が答える。
「うん、ありがとう!」
車に乗り込んで、軽くキス。ギアをドライブに入れたら、手をしっかり握って出発だ。
天気は相変わらず穏やかだったが、何だかさっきより周りが明るく見える。


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