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未完成恋愛シンドローム
【同性愛♂ 官能小説】

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未完成恋愛シンドローム - 白昼夢 --1

―登場人物―
・諸岡 段蔵/♂/38歳/
168/53/
平安中3年学年主任。柔道部顧問兼剣道部副顧問。
伊吹が尊敬してる人。バツイチ。息子が1人。ただし親権は奥さん側。ちなみに息子は伊吹たちと同い年(学校は違う)
華奢な体格・童顔ながら、若い時は『鬼の段蔵』と呼ばれ、素行不良の生徒をばったばったと投げ飛ばしていたとか。
空手3段柔道3段合気2段剣道初段・・・・どこの最強キャラだ┐(´ー`)┌
一人称は『僕』
・永瀬 小太郎(コタロー)/♂/12歳(中2)170/57/
伊吹のクラスメート。双子とは小4からの付き合い。割と腐れ縁。高校生の姉が一人。剣道部所属。サウスポー。
物事に対してあまり拘らない性格。
身長もあり見た目も悪くないので、黙っていればモテるだろうに、下ネタ多しの三枚目キャラなせいか、女子からの評価はX軸あたり。
ただし男子からは割と人気がある。
長めの黒髪ストレート。実は近眼。コンタクト愛用のメガネ嫌い
一人称は『俺』



「・・・・」
午前6時半。
毎週のこととはいえ、やっぱりこの日は楽しみだったりする。
6時に登校し、一通りの前稽古を終えたあと、心を落ち着かせるために正座する。
ゆっくりと瞳を閉じる。
少し肌寒くなってきた空気が、軽く汗をかいた身体に心地いい。
―今よりもっと寒い時だったっけか・・。
瞳を閉じ、精神を集中させていく。
周りの音が、段々と遠くなって行く。
「・・」
いつだったっけ。オレが、強くなりたいって思ったのは・・・。

・・・・。

ランドセルを背負っているオレ。
小学校低学年の時。
たまたまカイトが風邪をひいて休みで、オレは1人で帰っていた。
女の子の泣き声が聴こえた。
気になって、普段は通らない方へ向かって歩いていく。
オレよりも年上に見える女の子が1人。
中学生にはなっているだろう男が3人。
虐められているのか、ひたすら泣きじゃくる女の子。
母さんの言っていた言葉。
―男の子は、女の子とか、自分より弱いものを護ってあげなきゃいけないんだよ?
気がつくと、オレは4人の前に飛び出していた。

なんて言ったんだろうか。
身体に食い込んでくる、足の感触。
一瞬遅れて、地べたに叩き付けられる。
口の中も切ったらしい。鉄錆臭い味が口中に広がる。
痛い、痛い。
涙が出そうになった。
でも、母さんの言葉を思い出した。
―男の子は、人前で泣いちゃいけない
グッと堪えた。
手をつき、立ち上がる。
オレのことを蹴り飛ばした奴の顔が、少し赤くなった気がした。
身体に強い衝撃が走る。吹っ飛ぶ。
後ろでゲラゲラ笑いながら、冷やかすような声が聞こえる。
痛い。泣きたい。でも、我慢した。
また立ち上がった。
後ろにいる男たちが、口汚くはやし立てる。
目の前にいる男が、明らかに苛立った顔をした。
いつの間にか、女の子はいなくなっていた。
これで、女の子は護れた。そう思った。
そして同時に、とてつもない恐怖に襲われた。
また、殴られた。吹っ飛ぶ。
落ちていた石に、額をぶつけた。
このまま、倒れていれば楽なのかも知れない。そう思いながらも、また手をついて立ち上がろうとする。
脇腹。蹴り飛ばされた。転がり、止まる。息が、出来ない。


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