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未完成恋愛シンドローム
【同性愛♂ 官能小説】

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未完成恋愛シンドローム - 白昼夢 --6

なんとか無事に昼休み。
いつもの通り、学食へ行く。
家から弁当作って来るのも別にいいけど、1日一回飯作らなくていいんだから、これを使わない手はないだろう。
「今日の日替わりなにー?」
後から来たコタローが聞いて来る。
「サンマの塩焼き」
それに、うちの学食はちゃんと旬とかも考えて献立を作っているらしく、しかも割と旨いので結構気に入っている。
「・・・つか、また素うどんかい」
コタローのトレーを見て呟く。
「えーやん、好きやねんから」
―まあいいけど。
「で?」
「ん?」
「どーせオレが借したDVD、持ってきてないんやろ?」
そう言ってから味噌汁をすする。
「うん」
「・・・」
少しは悪びれろ。
「取りにくればええやん」
「・・・・」
たまに本気で絞め殺したくなるよなこいつ。
「まぁいいけど」
「悪いなー」
「・・・・・」
絶対に思ってない。
つか、いつものことではあるけど・・・。
「なあ。あんた、七味入れすぎじゃね?」
普通は当然琥珀色をしている筈の出汁が、一面赤く染まっている。
「えーやん、好きやねんから」
そういいながら、汁を飲む。
「・・・・・・」
まぁそりゃそうですが・・。
「絶対間違えてる」
言いながら一口大にしたサンマの身を口に運ぶ。
「なにが?」
「毎回毎回思うんだけどさ」
「うん」
「なんで、うどん喰い終わる前に汁なくなんの?」
器を覗き込みながら聞く。
「え。汁飲むん早いんと、天かすが水分吸うから」
「だからそもそもなんで大さじ10杯も20杯も天かすぶち込みますか?!」
既に器の中では、水分を吸いすぎて無駄に膨張した天かすがうどんにまとわりついている。もはや汁気はほとんどない。
「いや、タダのモンは使えるだけ使わな」
「・・たまに、あんたのダチやってんのが本気で恥ずかしなるわ」
そう言ってため息をつく。
「いやいや」
「・・なに?」
「俺みたいなパーフェクトな男おらんで?」
・・・・・。
脳ミソが理解を拒んだらしく、束の間思考が止まる。
「は?」
「いやだって、美形やし背は高いし」
「・・・」
「優しいし」
「・・・・」
「運動神経いいし」
「・・・・・」
「こんなオレと一緒におって恥ずかしいなんて、そんな罰当たりなこと」
「・・・・・・」
「あ、逆にそんなオレやから恥ずかしい痛い痛い痛い痛い」
満面の笑みを浮かべながらあんまりと言えばあんまりな寝言をほざくので、なにも言わずにひたすら足を踏みまくる。
「なにすんの」
「いや、足が勝手に」
食べ終わり、冷たいお茶を飲みながら涼しい顔で言ってやる。
「男の嫉妬はみっともな痛い痛い痛い」
更に寝言が始まりそうだったんで、取り敢えず踏んでやる。
まぁ、あんまり堪えてないっぽいけど・・。

・・・・・。


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