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フニと僕の成長記
【家族 その他小説】

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フニと僕の成長記-1

僕の家では犬を飼っています。
名前は『フニ』、三歳のオスです。なぜ『フニ』かというといつもふにゃふにゃしてるからです。
雑種です。小型犬です。毛色は長毛の白です。鼻ペチャで丸い顔をしていて尻尾がフワフワしてます。
そして、いつも眠そうです。なぜならフニは一日のうちほとんど寝て過ごしているからです。
この間こんなことがありました。

「フニーっ!」

僕はお散歩に行こうとフニを呼びました。どうせ一度で来ることは無いので

「フニーっ!お散歩ーっ!」

もう一度呼びました。
いつもなら二回呼べばリビングから寝ぼけ眼でフラフラしながらやってくるのですが、今日は来ません。
おかしいなと思ってリビングに行くとソファーの上に置いてあるクッションの下からフニの尻尾がブランと力無く垂れています。
バッとクッションを持ち上げるとフニがスゥスゥと寝息を立てています。

「フニ」

無反応です。

「フニッ!お散歩行くよ!!」

ゆさゆさ揺すっても決して顔を上げません。うつ伏せが仰向けになるぐらい揺すっても無理でした。
顔を覗くとギュッと目を閉じ意地でも開けないつもりのようです。

「もうフ〜ニ〜」

僕はよいしょとフニの脇の下に手を突っ込み抱き上げました。
それでもフニは目をつむっています。確実に起きてるのに、です。
フニを左右にブラブラさせてみます。力が入ってないので首がガクンと垂れ下がり、その下の体はふにゃふにゃとされるがまま。
そのまま玄関までだっこしてゆき、無理やりリードを着けた時フニはやっと

『も〜しかたないなぁ』

と自分の足で立ち上がりました。
そのぐらいフニはダラケた犬なんです。お散歩よりも睡眠を大事にします。
でもお散歩嫌いな訳じゃないんです。むしろ好きなんです。
その日だって外に出るまではかったるそうにポテン、ポテンとゆっくり歩いていたのに急に全速力で走り出しましたし。

『ゥラア〜〜〜!』

フニは毛を靡かせて走り続けます。ちなみにフニはそんな自分に惚れ惚れしてるみたいですけど、僕でも付いていけるぐらい足は遅いです。犬のくせに。
そして、フニはおバカです。お散歩の力配分をいまだに学習していません。
始めに全速力で走るもんだから大抵後半は疲れてしまいます。お散歩コースの半分に差し掛かるとさっさと用を足し、足を引き摺るようにポテンポテンと歩くと、とうとう力尽き急にベタッと道端に寝てしまいました。
うつ伏せの状態で両手両足を広げて亀みたいです。
こうなっちゃったらフニはもうテコでも動きません。

『だっこー。だっこしてよー』

僕ははぁとため息を吐くと赤ちゃんを抱くみたいにフニを抱えて家に帰りました。
逆に雨の日のお散歩はとてもスムーズ且つスピーディーです。


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