†魔法の飴玉†-1
†魔法の飴玉†
私の名前は田原ユウカ。
小学6年生。
顔は今人気の、名前は忘れちゃったけどティーン誌とかでよく見る子に似てるって友達に言われてる。
だから結構自信あったの。なのにー。
ゆういち君にフラレた。
今日はクリスマスだから気合い入れてゆういち君に手作りのプレゼントを渡す計画だったの。
帰り道が一緒だから、チャイムがなったら帰り道で待ち伏せして。
もちろん一人じゃ恥ずかしいから幼馴染みのチロと一緒に。
チロの本当の名前は水原史郎。でも女の子みたいに小さいし、今学校で流行ってるマンガに出てくるチロって犬に似てるからみんなそう言ってる。
チロは何でも私の言うこと聞くの。
だから今回だって作戦は成功するハズだったの。
「良い?ゆう君が来たらあんたは隠れてね。」
「うん、わかった。」
「私はカゲに隠れてるから、ゆう君が歩いて来たら合図して。」
「わかったよ。」
あとはチロが手をふったら私がさりげなくゆう君に近寄って話しかければ良かったの。
だけど何分待ってもチロからの合図がない。
何やってるの?
だんだんイライラしてきたら、チロからやっと合図が出た。
だけど、ゆう君の姿はどこにもないの。
「ちょっと、どうゆう事?ゆう君はどこにいるの?」
私はチロにむかって思いっきり怒鳴った。
「……ごめん。ゆういち、気が付いたらいなくて。」
私のイライラがピークに達した。
「チロの馬鹿!何度も話し合ったじゃない!チロなんて嫌い!絶交だよ!」
私は立ち尽くすチロを見ないようにして家に帰った。
家に帰って、部屋でどうやってプレゼントをゆう君に渡しに行くか悩んでると、携帯が鳴った。
クラスのチェンメ(チェーンメール)で、親友の亜沙子からだった。