マッドな彼女with俺1-3
――理科室――
イスに無理矢理座らされた俺の目の前には何やらわけの分からん試験管とかビーカーとかがひしめき合っている。
「今日はね、非常に興味深い発見をしたのよ。
だから一番に駿八で『実験』しようと思って」
…なんか危ないことを淡々と言っているように聞こえるんだけど…
そうこうしているうちに静谷がピンク色の液体が入った試験管を手に取り、それを白色の液体が入った三角フラスコの中へ入れて…!?
なんかゴボゴボしながら濁った赤紫色の液体になったぞ!?なんだそれ!?どうやったらそんな気持ち悪い色に…
ポチャン。
な、なんだ?
何か今跳ねたぞ??
金魚か…いや、え?何??何アレ!?
ちっちゃいビーバーみたいなのが無数に泳いでるんですけど!?キモッ!てかグロッ!!
「じゃぁ、はい」
「いや、はいってこの意味不明な三角フラスコを渡されても…何をすればいいのか」
「飲みなさい」
「!?
飲む!?これを飲む!?
何か生物が生存してるコレを!?」
「そうよ。大丈夫よ。
心配しなくてもちゃんとソレは飲んでも胃の中で消化できるわよ」
「いやいや!!絶対無理だろ!?
つーか、こいつら何か『グルルルル』って鳴いてんだけど!!」
「そうね。鳴いてるわ。お腹が減ってるのね、きっと」
「そういう問題!?
こんなの飲めるかッ!!」
「つべこべ言わずさっさと飲めや!コラァッ!!!」
キレたー!?逆ギレだ!!
「ゴフッ!
ちょっ、待ってて!そんな無理矢理…は、話せばわかる…!!」
「問答無用!!」
「ぎゃああああー…ゴブッ…ゴク、ゴクゴク………バタッ」
「あら、駿八?
おーい、もしもーし。
………
……
…
ダメだわ。
ま、実験に失敗はつきものよ」
この言葉を最後に俺の意識は遠のいていった…。