青空の下で-5
濡れたスリムパンツに、ピンクのパンティがハッキリと透けている。
それに、濡れてピチッと肌にまとわりついたTシャツからキュッと引き締まったウエストライン、その下にあるムッチリとした臀部の肉感がハッキリと浮き立たされているのだ。
自分の妻にはない厭らしい肉体……そこから匂い立つなんともエロティックなオーラが、中島の思考回路を完全に狂わせた。
「あ、あの……車へ着替えに行ったら……そ、その……少しあいだそので待っていてください」
「えっ……?」
「あ、いや、奥さんと少し、二人っきりでお話したいなぁと思いまして……」
真理子の胸奥に、ただならぬ淫情が渦巻いた。
おもわぬ誘惑に、ポッテリとした薄紅の唇が微かに震えている。
しばらく沈黙がつづき、真理子がようやく重い口を開いた。
「じゃ、じゃあ、中島さんが来るまで待っています」
「ほ、ほんとに? じゃあ、上手くふけてきますんで、先に行っててください」
真理子は、一緒について行こうとする山田の妻をうまくかわし、ひとりで車のところへ向かった。
承諾してしまった背徳行為に、家族に悪びれながらも一度火のついてしまった欲情をどうもできない。
これまで何年間も溜まり続けていたものが、いまゆっくりと身体の芯から湧き上がっていくのを感じた。
異常に速まる心拍数……それが、不純行為への期待感をありありと表していた。
誰もいないポツンとした野原の空間。
並んで停めてある車の陰で、真理子はすぐに着替えをはじめた。
「ああん、もう、下着まで全部濡れちゃった。どうしよう、車の中では狭いしなぁ……。まっ、いいか、どうせ誰もいないし、中島さんもそんなにすぐには抜けてこれないだろうし。ここで着替えちゃおう」
濡れたサマージャケットとTシャツを躊躇いなく脱ぎ、スリムパンツはパンティと一緒に勢いよく脱ぎとった。
広大な敷地の一角で、ピンクのブラだけを身につけた真理子。
山林の涼しい風が、濡れた下半身へ心地よく吹き付けてくる。
真理子は妙な感覚にとらわれた。
身体の表面は涼しいのに、その内側はワクワクするような火照りを感じている。
露出狂の人達って、このスリルと緊張感がたまらないのね、きっと……。
真理子にとって、この感覚はけっして悪くはない感じだった。
「ああ、でも……中島さんには申し訳ないけど、着替えたらみんなのところへ戻ろう。やっぱり私には家族を裏切るなんて出来ない。ふぅ……少し残念な気もするけど……仕方ないわね、母親なんだもの」
素足に着替えのパンティを通し、Tシャツを首に通したところでパシャパシャとけたたましいシャッター音が聞こえてきた。