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キライ
【学園物 恋愛小説】

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キライA-3

「お前さぁ、他の男と仲良くしてんなよ」

本物の彼氏でもないくせに干渉しすぎ。

「大迫にそんな事言われたくない」

ブスッっと言い返す私に

「名前」

大迫もブスッと言い返す。

「別に二人なんだから名前呼ぶ必要ないでしょ」

「明日も待ってろよ」

「あのさー、いくら借りを返すっても大迫のためばっかに時間割けないよ。私にだって色々あるんだから」

冷たく言い放つと大迫は私の顔をマジマジと見た。

「何よ?」

「いや…そうだよな。悪い」

いやに素直だな。
それはそれで気持ち悪い。

「でもさー…、大迫も大変だよね」

大迫の環境に少し同情していた私はつい口に出してしまった。

「何が」

またしてもブスッとした声に戻った大迫。

「いや、あれじゃホントのカノジョってなかなか出来ないだろなって…」

あぁ…と小さく呟いて私に訊ねた。

「何かあったのか?」

心配してくれてんのかな?

私は横に首を振った。


大迫にああは言ったものの、時間の許す限り部活への見学は行くようにしていた。

カノジョのふりをしてるのがバレない程度に。

そんな時、大迫はちゃんと家まで送ってくれてポツポツではあるけれどお互いに他愛ない話をするようになっていた。

少しずつ大迫を知って、嫌いから苦手に格上げしてあげてもいいかな?と思ったりして。





放課後、いつも通り体育館に向かっていた私は数人の女の子に囲まれた。

どの顔もいつも部活に来ている女の子ばかり。

いつか来るとは思ってたけど、実際囲まれると怖い。

私の武器は気の強さだけで、相手に力で来られると勝てる見込みはない。

「大迫くんと別れなよ」

正面に立ってる子が口を開くと周りにいる子達も口々に同じように責める。

「嫌だって言ったら?」

内心の恐怖が出てませんようにと祈る。 


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