愛を求めて-1
少年はてくてく歩いていた。
目の前にある道なき道を
平淡な道もあれば
草木が鬱蒼としてる道もあれば
ぬかるんでいる道もある。
ふとしたとき小さな丘があった。
少年は余裕で越えれると思ったが
緩やかな坂が永遠に続いていた。
だが、歩き続けた。
後ろ振り返ることなく…
これくらいの我慢であれば
乗り切れる。
今までの生活に比べたら…
走ったり休憩したり
自分のペースで
小さいようで大きな丘を歩いた。
すると、頂上が見えた。
少年は安堵し、走って丘を下った。
少年は丘を登り切り、
鼻唄まじりで、
草むらや沼を歩いていた。
少年は
「このまま目的地に着ける」
と、思っていた。
…だが、そんなに簡単なことではなかった。
目の前が急に真っ暗になったかと思うと
巨大な壁がいきなり現れた。
少年は意地悪な魔女が
この壁を作ったと思った。
だから、どこかで途切れていると思い、
壁添いを走った。
しかし、その壁はどこまでも続いており、
途切れていることはなかった。
棒高跳びの原理を利用しようと
長い木を沢山繋げたが
跳んでも跳んでも
壁を越えることはなかった。