愛を求めて-4
だが、手足の傷が治り始めた頃
少年は顔を上げ、
もう一度壁を登ることにした。
愛を求めるために…
神は
「行動しろ」
と、言っていた。
だから、何かしようと思った。
手足のはまだ痛んだが
それを堪えながら
必死に登った。
何回も失敗したが、
何回も登った。
すると、どうしたことか先が見えたのだ。
いつもなら
まだ続いているはずの壁が
短くなっていた。
今までで1番頑張って
壁を登りきった。
嬉しくて涙を流した。
今までと違う涙を…
反対側には階段があった。
少年はこの壁のことを
忘れることはないだろう。
また鼻唄を歌いながら歩いているが♪
大きな困難にぶつかっても
すぐに泣くことはない程の
"強い精神力"を
持っただろう。