**ヒーロー見参??**-1
「あっ‥あの子だよ‥。」
「えっ‥なにが?」
「ほら‥瀬戸先輩と‥‥」
「えぇ‥‥まじでぇ‥?」
なにやら騒がしい‥‥。
はぁ‥眠い‥。
朝ってダメなんだよね。
おはようございます。
大嫌いな月曜日の朝を迎えた渡辺日和です。
低血圧な私にはしんどい時間‥。
「ちょっと日和っ!!!」
んぅ‥?
優ちゃん‥?
おはよ‥
「日和!??」
だからおはよって‥
「しっかりして日和ッ!!」
「ぅうぇいッ!??」
優ちゃん‥‥
朝からヘッドロックはキツいって‥
「日和、大変だよ?」
「えぇ、大変です。ギブギブ‥。」
こめかみに風穴があく‥
「あっごめん。ってそうじゃなくて、大変なの!!」
脳みそに酸素が行き届いているか心配だ‥。
朝から酸欠とかちょっと‥
「どうしたの?またかっこいい人いたの?」
優ちゃんはイケメン大好きだからなぁ‥‥
「そんな呑気なこと言ってる場合じゃないよ!!あんたが瀬戸先輩とデートしたのが噂になってるのっ!!」
へぇ‥‥
ぇえ‥‥??
「ええぇぇっ?!!!」
「ほら、周り見てみなよ」
確かに見る人全員と目が合う‥‥。
さすがアイドル瀬戸晴輝。
って感心してる場合じゃないよっ!!
「私、そんなデートだなんて‥‥」
確かに二人で遊んできれいな夕陽を眺めたけど‥
思い出しただけで顔が熱くなるし!!
「照れてる場合じゃないから。」
「えっ?」
「よく考えてみなさい。」
「はい?」
「日和がデートをした相手はあの瀬戸先輩よ?学校で一番有名で一日に一回は告白やらプレゼントやらで呼び出されてるのよ?それなのに彼女をつくらない“みんなの”王子様に、あろうことかあんたみたいなちんちくりんが近寄っているだけで先輩たちは騒いでいるのに、デートしたなんてばれたらどうなることやら‥‥。」