夏の終わりにB-8
「…先生…上がりました」
篠原は部屋に現れた私を見た瞬間、声をあげて笑った。確かに、花柄のパジャマは十分笑える格好だと思った。
「…そんなに笑わないで下さいよ」
「ハハハッ!…ゴメン、ゴメン…あまりに可愛らしいから、つい…」
「ボクだって恥ずかしいんですから」
「分かったわ…じゃあ、私もお風呂に入ってくるから」
篠原は笑い声を残して風呂場へと消えていった。私は間を置いて後を追った。
シャワーの音が聞こえる。ガラス越しに彼女の肢体が揺れ動く。私は脱衣所で回る洗濯機を覗いた。私の服と彼女の服が渦に飲まれて絡まっていた。
私は思わずツバを飲み込むと、服を脱いだ。ペ〇スは剛直と化していた。もはや自分で抑えが利かなかった。
「先生」
勢い良くガラス扉を開けた。篠原は一瞬、驚いた表情をみせたが、すぐに笑顔に変わった。
「どうしたの?ショウ君」
「あの、先生の背中を流したくて…」
わざとらしい答え。だが、篠原は嬉しそうに“じゃあお願い”と私にスポンジを渡した。
石鹸を濡らしてスポンジを泡立て、篠原の背中に塗った。小さく華奢な後姿。しかし、その感触は瑞々しくなめらかだった。
泡にまみれた身体にお湯を掛ける。
「先生、終わりましたよ…」
その時、篠原の手が私の手を掴んだ。
「…ショウ君も冷えたでしょ、一緒に浸かろうよ」
小さな湯船に向き合って浸かった。足を絡ませ身体が触れる。
「ショウ君…」
抱きすくめられ、口唇が重なった。柔らかい感触に酔っていると、篠原の舌が隙をついたように私の口腔に入ってきた。
「…ふっ…んん…うん…」
初めての経験に嫌悪感を抱く私。彼女の舌と触れるのを避けようとすればするほど、舌は絡まり淫猥な音を響かせる。
「ふぅっ…はぁっ…ふんん…」
お互いの息がぶつかり合う。口唇が離れた。
「…続きは後でね…」
私達は風呂から上がると脱衣所でお互いを拭きあった。篠原の肌は柔らかく、拭うだけで傷付けそうで、私は怖々とバスタオルを当てていった。
身体を拭くと、私はパジャマ、篠原は透けるように薄い短いワンピースのような、あれがネグリジェというのだろうか。そんな寝間着を着ていた。
「ショウ君、先に部屋に帰ってて」
篠原は、洗面台に並んだビンやチューブを顔に塗りながら私に言った。
「じゃあ先に行ってます」
私は部屋で過ごす事となった。ジッと待つのもイヤだったので、“布団でも敷いてやろう”と思い、内緒で押し入れの扉を開けた。
上の段に寝具セットが置かれていた。私はそれを持ち出そうとしたが、
「なんだ?これ…」
タオルケットや敷布に紛れて何かが落ちてきた。それは白いクマのぬいぐるみで、かなり使い込まれているのか、あちこち毛が抜けていた。。
ちょうどそこに篠原が戻ってきた。