夏の終わりにB-3
「今日はね、ショウ君にセックスを教えてあげるわ」
下着を脱ぎながら、妖しい瞳が私を見つめる。
「…先生…」
一糸纏わぬ篠原の姿。張った乳房、くびれた腰、しなやかそうな脚。私は思わず引き寄せられた。
「…焦っちゃダメ…」
口唇が重なった。私にとって、初めての体験だった。柔らかく潤いに満ちた篠原の口唇に興奮する。
「…んっ…ふぅん…」
何度も重なり、何度も吸いつかれる。触れ合った身体から気づかれるのではと思うほど、私の鼓動は高まっていた。
口唇を離れて首筋を求める。先ほど見た、水を飲むシーンが思い浮かんでいた。
「…はぁっ…ああ…」
篠原はのけぞる姿勢で私を受け入れる。乳房に触れながら、彼女の首筋に舌を這わせた。
その時だ、
身悶える篠原の身体から異臭がした。いつもの甘い体臭に混じって、キツい匂いが。
私は篠原の身体から身を剥がした。
「…どうしたの?ショウ君」
篠原は不可解な表情を浮かべた。
「…先生…誰かと…したの?」
猜疑心に満ちた目で篠原を見つめた。途端に、彼女の目がうろたえの色に染まる。
「…それは…」
まともな受け答えが出来ず、顔を赤らんでいく。
「…ボク、帰えります…」
私は彼女のそばを離れ、服を整えると準備室を後にした。
「…ぐっ……うっ…」
涙が溢れて仕方なかった。篠原の態度が許せなかった。私と会う前に別の男とセックスをし、そして、私とも……。
悔しさだけがこみ上げた。