投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

「ストロベリークリーム」
【その他 官能小説】

「ストロベリークリーム」の最初へ 「ストロベリークリーム」 21 「ストロベリークリーム」 23 「ストロベリークリーム」の最後へ

「ストロベリークリーム〜Nuts」-4

「お待たせしてすみません」

驚いて振り返ると、細いフレームの眼鏡をかけた、店員らしき男性が立っていた
穏やかで優しそうだけど…
…眼鏡の奥の目は、少し鋭く見えた

これが、愁さん…?

「あ、あの…」

愁の目を見ていると、何も言えなくなってしまう

…吸い寄せられる…

「どうしたんですか?」

言いながら、愁が少しずつ近づいてくる

「あの…私、」

「顔が少し赤いようですが…?」

そう言って私の頬を指で撫でる

「あっ…」

愁の触れたところが熱い
なぜだか変な声が出てしまう

「…あなたはとても、可愛い人だ…」


愁の指が唇に触れたとき、奥の部屋からばたばたと足音がした


「てんめぇ、俺のプリン食いやがって!」

「いーじゃん一個ぐらい、竜のケチ」

騒ぐ声と共に、背の高い男性と小柄な少年が走ってきた


すっと愁の指が離れ、名残惜しいような、変な気分になる

…何、今の…?


「一個ぐらいってなぁ、あれは季節限定の松茸味ですげぇ価値があんだよ!」

「また買えばいいじゃん、ちっちゃい男だなあ」

「んなっ…お前のほうが全てにおいてちっせーだろがっ」

「僕のほうが大きいもんね」

「いぃやっ俺のほうがでかいな」

これが…唯と杏子の恋人?!
変なことで争ってる…

私が唖然としていると、愁が二人の間に割って入った

「こらこら、二人ともお客様の前で恥ずかしいよ」

紺のおでこを指ではじき、竜の頭をメニューで叩く

「いたぁい」

「ばかやろ、セットが崩れただろがっ」

「はぁ…まったくもう」

愁が呆れたようにつぶやいたあと、私を席に案内した


「ストロベリークリーム」の最初へ 「ストロベリークリーム」 21 「ストロベリークリーム」 23 「ストロベリークリーム」の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前