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こーゆうのもアリなワケで…
【SM 官能小説】

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こーゆうのもアリなワケで…-7

「くふぅん」

甘い声を遊佐子は漏らし、隣に横たわる千歳に覆いかぶさり唇を吸った。

二人は互いの舌を怠惰に絡め、潤んだ瞳で見つめあった。

「・・・・じゃぁ、帰るね」

遊佐子はそう呟くと、オレンジの夕陽の光に染まった部屋で散乱した下着を身に付けストッキングをくるくる器用に履く。

そして、濃いグリーンのコールテンのワンピースを頭から被り、大振りな不揃いの真珠のネックレスを付けた。

千歳は何も言わず、煙草を燻らしながら遊佐子を見つめている。

言葉を発すれば遊佐子を困らせてしまうから、ただ帰り支度をする遊佐子を見守る事しか出来ない自分が情けない。

大人の関係ってなんだろう?

ホンキなのかアソビなのか自分でも境界線が見えなくなっているこの恐怖。

「じゃぁ、また明日」

遊佐子は力一杯の笑みを浮かべて、とても自然に千歳の部屋を出て行いく。

「また明日」と遊佐子は言ったが、「今日」と「明日」の千歳と遊佐子は別人だ。

明日、学校であっても遊佐子は自分のものではないのだ。

 釣瓶が落ちるように日が落ちて闇が部屋を覆う。

「明日」が迫ってくる恐怖だけが遊佐子が去った部屋に残った。

泣きたいのに泣けない。叫びたいのに叫べない。

何処にもいけないこの気持ちはこの先どのように変化していくのだろうか。





 講義中の緊張感がロビーに溢れる。

講義に出る必要が無くなったとはいえ、この凛とした空気の中を歩くのはいつになっても不思議な優越感を感じる。

柔らかい午前中の日差しが天窓から差し込んで気持ちがいい。

気持ちがいいが、気持ちは浮かない。

千歳は浮かない気持ちのままエレベータの前にある自動販売機で紙パックに入ったジュースを買った。

そのままエレベーターを待つがエレベーターはなかなか来ない。

ズボンのポケットから携帯電話を出して、画面をスクロールさせるが虚無感が強くなるだけだ。

溜息を吐いて、顔を俯かせたままエレベーターに乗り込むと、いきなり肩を小突かれた。


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