ポッキーとプリッツ-1
(…今日はあの日か)
俺は服を着替えて出かける準備をし、いつものあの場所へと向かう
子どもの頃、俺はポッキーが大好きだった
その日は何だか無性にポッキーが食べたくなって、ばあちゃんに買ってきてって頼んだ
俺はばあちゃんっ子だったから、欲しいものはいっつもばあちゃんに買ってもらってたんだ
ばあちゃんはニコニコして『待っといで』って言ってくれた
でもばあちゃんが買い物から帰ってきて、俺に見せたのは・・・
プリッツだった
「やだやだやだ!僕が食べたいのはポッキーなんだ!プリッツなんか食べたくない!ばあちゃんのバカっ!」
なんであんな酷いことを言ってしまったんだろう
子どもの頃の俺の考えなんて分からない
ただ覚えているのは、ばあちゃんがすごく悲しそうな顔をしてたこと、次の日の朝に枕元にポッキーが置いてあったことだけだ
・・・ばあちゃん、俺ほんとはどっちも好きだったんだ
我が儘ばっかり言ってゴメンね
11月11日、俺は毎年ばあちゃんの墓にポッキーとプリッツを供える
ばあちゃんが天国で美味しそうに食べてくれることを祈って
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