螺旋の邂逅 vol.3-4
「進路…?
…うん、一応。」
と、躊躇いながら答えた。
「進学?就職?」
「…色々考えてるトコ。
梨瑚は?」
と、返せば、
「私はまだ考えてないなぁ…。
だって、私たちまだ高2、しかも、まだ6月だよ。」
と、呑気な言葉を返された。
そんな彼女に
「そうだね」
と、笑いながら返すと彼女は
「じゃ、私はそろそろ帰ろうかな。」
と言って立ち上がった。
「もう?」
「うん。」
「ちょっと待って。買い物ついでに送るから。」
と、言うと私はダイニングで雑誌を見ていた基也に
「基くん、今日の夕飯何がいい?」
と、尋ねると、
「………姉さんが作るの?」
と、雑誌から顔を上げ、逆に尋ねられた。
「…未来だけど?」
と、答えると、彼は安堵の溜息を吐き、
「よかったー。」
と、言ってきた。
「どーいう意味?」
と、顔をひくつかせながら聞けば、
「だって、姉さんの料理って…下手にも程があるっていうか…恐いっていうか…ねぇ、梨瑚さん?」
と、梨瑚に振った。
「…えっ、私!?
………うーん、でもまぁ、確かにヤバいよね…。
包丁裁きは良いのに味付けがねぇ…。
・・・よかったね、ウチの学校は家庭科選択で。
多分、取ってたら静華の5連覇はないと思う…。」
と、言って梨瑚は苦笑した。
「梨瑚までひどい!
…で、基くんは何食べたいの!?」
「未来が作るならロールキャベツ。」
「わかった。
行こ、梨瑚。」
そう言って私は財布を持ってリビングを出た。
「うん。
じゃ、またね、基也くん。」
「バイバーイ、梨瑚さん。」
4章 完