螺旋の邂逅 vol.3-3
「静華とミキヤ君が付き合ってると思ってる人っているのかな?」
と、梨瑚は教室に戻る途中、私に言った。
「はぁ…?
居ないでしょ、そんな人。
だって、いくら似てないっていっても私とミキは姉弟よ。」
梨瑚の言葉に思わず間抜けな声が出てしまった。
「でも、ミキヤ君、静華のコト名前…しかも、サン付けで呼んでるじゃん。」
「梨瑚のコトだって普段はサン付けじゃない。
それに、私のコトは昔からだし…今更゛姉さん゛とかミキヤに呼ばれても…気持ち悪いだけだし…。」
私の言葉に彼女は
「確かにそうかもね。」
と、笑った。
数日後 放課後
私は家に帰り、部屋で今日届いた大学案内の冊子を見ていた。
大学か…専門か…就職か…。私に道はあるが選択肢はあまりなかった。
ー…あ、この大学、××線の方のウチの駅から結構近かったんだ。
駅2つしか離れてない…。コッチの方あんまり探してなかったし、土日にオープンキャンパスやってるんだ…行ってみようかなぁ…。ー
と、考えながらベッドに横になっていると、
"コンコンッ"
と、部屋の扉を叩く音がした。
「はーい」
と、答えて2段ベッドの上から顔を出すと、
"キィッ"
扉の隙間から、色素の薄い髪をした弟・基也が顔だけ覗かせた。
「基くん?
どうしたの?」
と、尋ねると、
「リビング、梨瑚さん来てるよ。」
と、だけ言って基也は戻ってしまった。
私は、急いでベッドを降り、リビングへ向かった。
"ガチャ"
「どうしたの?梨瑚」
リビングの扉を開け、私は言った。
彼女は既に髪を降ろして私服に着替えていた。
「…この間お父さんの実家遊びに行ったからその時のお土産もってきたの。」
と、彼女は振り返り扉の方を見て言った。
「別にいいのに…。」
と、梨瑚の前のソファーに座ってから言うと
「うちだって色々貰ってるんだから気にしないで。」
と、微笑まれた。
「…ありがとう。」
「どういたしまして。
あ、ねぇ、静華は進路のコト考えてる?」
と、おそらく基也が出したのであろう麦茶を飲んでから梨瑚は言った。