未完成恋愛シンドローム - 片翼 --1
−登場人物−
・藤沢 伊吹（イヴ）/13歳（中２）
150/42/
双子の兄。母子家庭。一人称は『オレ』
元々空手を習っていたが、中学に空手部がなかった為柔道部所属。黒髪のストレート。
母親に心配をかけたくないと思ってるせいか、基本的にマジメだが、別に融通が利かない訳でもない。弟の奔放さを羨ましいとも思っている。
母親が仕事で帰らない事もあるせいか、家事全般はプロ級。得意料理はオムライス。
・藤沢 海人（カイト）/♂/13歳（中２）153/43/
双子の弟。一人称は『オレ』
伊吹と同じく、空手を習っていたが、中学に入ってからは水泳部所属。基本は黒髪のストレートだが塩素のせいか、光の加減で淡く茶色がかって見える。
天才肌。奔放。腹黒。
好物はオムライス。
・藤沢 楓/♀/30歳
151/44
双子の母上。まだ30代、しかも女性ながら大手出版社で一介のアルバイトから編集長までなったとんでもない人。その経歴から、ひたすら仕事仕事の人だと思われがちだが、家に帰ると割とだらしない。というか、イヴやカイトに甘えまくったり。
双子が１歳の時（つまりは自分が17歳）に夫に先立たれて以来、女手一つで双子を育てて来た、パワフル・ママン。
けれども家では子供達に以下同文。
実はヘビースモーカー（でも家では吸わない。銘柄は『LUCKY STRIKE』）な上に、一番の楽しみは子供達と一緒にさきイカを食べながら酒を飲む（双子はジュースですよ）ことという、間違いなくそこらのおっさんみたいな変な人。
見た目がやたらと若いが、未だに双子と一緒にいると姉弟だと思われたり、タバコ吸ってると補導されかけたりと、本人曰わく「得したことはあんましない」らしい。
そして、作者にメイン主人公の双子よりも長い説明文を書かせた人（ry
一人称は『うち』外では『わたし』
それは突然やって来た。
「・・・the reason for being〜♪」
「なー、イヴー」
―ガチャっ
「ん？」
オレはそれまで読んでいた本を閉じ、扉の方へと目をやる。
「なに？」
それまで聞いていた曲も止める。
中学２年生の秋のある日。
「んふふ」
いつも通り？何か企んでるだろお前と言いたくなるような笑顔を浮かべた弟から
「んっとなー」
バカなオレ達の未熟な物語は始まる―
―未完成恋愛シンドローム―
episode.１ ― 片翼 ―
「なんやねん、気持ち悪いな」
取り敢えずベッドに座り直したオレの前には、相変わらずニコニコしたカイトの顔がある。
小悪魔という言葉が体現したかのようなその顔が、何故かとある悪友の顔と被り、苦笑するオレ。
「どしたん？」
「いや、オレが聞いてんねん」
なんなんだ。
「ああ、そうそう。」
忘れてたのか？
「あんなー、イヴってさー」
「うん」
「１日何回オナニーする？」
「は？」
―間。