未完成恋愛シンドローム - 片翼 --13
―んー・・・。
取り敢えず精液のついた服を脱ぎ、先にまず身体・ち○ちんの周りやち○毛とかについた精液から拭っていく。
と、下から母さんとカイトの声が聞こえてきた。
『おかえりー』
『ただいまーカイトー。なあ、うちのご飯ないねんけど』
『うん、だって作ってないもん今日』
『ええ?!うちのだけ?!』
『ちゃうちゃう。イヴが部活で疲れて寝ててん』
『あ、そうなん?』
『さっき起きたみたいやから、イヴの部屋おってんけどなー』
『ふーん。あ、それやったら3人でご飯食べに行くー?』
『行くー!』
そしてまたドタドタと、階段を駆け上って来る音。
「イヴっ!今日、外食っ・・・ん?」
オレはあまりの展開の早さと、カイトの速さに、思わずベッドの上にあったタオルケットで身体を被っていた。
「あ、いや、オレはいい、今日」
辛うじてそれだけは伝えた。
「ふーん。んじゃ、オレとおかんだけで行って来るわー」
―まぁどうせいつも通り、駅前の飲み屋だな。
「母さんに、飲むんやっら車はあかんって言っとけよ」
「りょーかいー」
「あ。あと、帰り遅くなるんやったらカギかけとくからって」
「ほいほーい」
そういってまた降りていくカイト。
・・・。
『来ないって?』
『んー。あ、車使わないんなら飲んでもOKって』
―違うっ!!
『あははー。じゃあ駅前やなー』
『おうっ』
そのまま、玄関が開く音が聞こえ、2人の声は聞こえなくなった。
―まぁアイツ、あそこの焼き鳥好きだからな。
と思いながら、また精液を拭き取っていく。
「・・・・」
ふと、顔についた精液を指で掬い取り、そのまま口元に運ぶ。
「・・にが」
―っていうか、変な味。
よくこんなもん舐めようとか思うなアイツ・・。
指についた精液を拭き取り、そのまま顔も拭く。
「・・・・」
―なんやってん、今日のカイト。
なんでオレのオナニーの回数を聞いて来たのか、なんでオレがオナニー知らないっていったら教えるって言い出したのか・・。
「よく判らん・・」
双子である筈なのに、時折行動がまったく読めなくなることがある。
ただ、それにしても今日のカイトは変だった気がする。
服についた精液も拭き取り、そのまま洗濯機の中に放り込んだ。
「・・ま、いっか」
考えてもちゃんとした答えが出る訳もない。
服は、そんなとんでもない汚れ方でもなかったし、これから風呂に入るとすれば、洗濯機の中に入っているのも別に変でもなんでもなかった。
ただ、なんとなく今日は風呂に入らなかった。
明日、朝早めに起きて、シャワーでも浴びればいい。
戸締まりを確認し、歯を磨いてから部屋に戻る。
「疲れた・・」
身体をベッドに投げ出し、誰に言うともなく呟く。
オナニーって、こんなに疲れるもんなんだろうか?
さっきから身体を動かすと、とてつもなく重く感じる。
「んっ」
軽く、ち○ちんを触ってみた。
やっぱり、電流みたいな感覚が走る。
「・・・」
ただ、今日もう一度するには、あまりにも眠過ぎ、疲れ過ぎていた。
「・・」
どうしようもなく、瞼が重い。
そしてそのまま、意識は闇の中へと吸い込まれていった。
―to be contenued...