「タイムカプセル」-2
オレが入れたプロポーズの紙は
ボロボロになっていた。
リングも錆びてボロボロだ。
錆びたリングを手に取る。
幼稚園の頃は、
親指ですらブカブカのリング。
が、今はメグの指に丁度いい大きさだった。
メグの薬指にハメながら
オレはメグにプロポーズした。
「オレ…、昔から…メグが好きだった…
オレと結婚してくれないか?」
「うん…」
メグの目から熱いモノが流れ落ちた…
その瞬間、錆びた鉄のリングが、
本物の指輪に変わった。
そして、ボロボロのプロポーズを書いた紙が
いつの間にか、婚姻届に変っていた。
メグの涙が、奇跡を起こしたのかも知れない…
夕暮れに染まる太陽が、二人の頬を赤く染めていった。
【完】