Bound for heaven-1
気がつくと駅のプラットフォームに立っていた。
辺りは灰色に薄暗く、なにもない。
どうやら地下にいるらしい。
目の前には見ただけで嫌悪感を抱くような、小汚い3人の男…いや女?
まぁ、どちらでもいい。
彼らをただただ観察していると電車がやってきた。
彼らは電車に乗り込む。
私も後に続く。
電車に乗り込み先程の3人を探してみる。
いた。
きつく拳を握りしめ、窓の向こうを見ている。
私もガラスに映る自分の姿を見てみる。
ガラスに映る男はなんだか知らないやつに見えた。
そのまま外を見ていると、どうやら電車は地下を抜け地上に出たようだ。
町の真ん中であるらしく、人々か買い物をしたり、仲良く歩いているのが見える。
電車はそのままグングン高度を上げ、人々が小さくなっていく。
その時、車掌のアナウンスが車内に響く。
『中継地、中継地です。途中下車を希望の方はコインを3枚お支払いください』
彼らを見ると、握りしめた拳を開き、大事そうにコインを見つめている。
私はなぜかここで降りなければならないような気がした。
ポケットを探ってみる。
あった。
取り出してみると、コインが1枚。
これじゃ降りられない。
ふと視線を感じて顔を上げてみると、彼らが私の前に立っていた。