輪廻-1
ね、私たち。
初めて出会ったときから、何度離ればなれになって、何度再会したんだろう。
きっとあなたは知らないけれど。
あなたと離ればなれになる度に、もう二度と出会うことはないと涙を流した。
でも。
どうして。
私の行く末にはあなたがいて、消え去ってくれないんだろう。
何度出会いを繰り返しても、あなたの隣に寄り添うことはないのに。
二度と出会うことがなければ、別れの涙を流すこともないのに。
ね。
私は幾度離れ、幾度出会っても、あなたに恋をすることができるよ。
だってあなたがそこにいるから。
もう幾世もの時を過ごしたけれど、次はどんな風に出会うんだろう。
ね。
私が捨てられた子猫で、あなたに拾われたときのこと、覚えてる?
ふふ。
あの時私ね、あなたの奥さんだった人のこと、引っ掻いたんだよ。
ね。
今度はどんな風に出会うんだろう。
どんな風に恋をするんだろう。
できれば――…。
****
―きゃ、おぎゃ、おぎゃ…。
「兄貴、産まれたよ。女の子。うん。会いに来てよ。うん、うん――。」
****
弟に、初めての子どもが産まれた。
看護師の抱える白いおくるみに包まれた小さな赤ちゃん。
弟の後ろから覗き込むと、看護師の腕の中でむずがるように身動きをした。
俺は心の中で呟く。
久しぶり――と。