1・2・3-10
八
市川君に聞いてもらって楽になった私、だけど、次の日の日曜日は一日部屋にこもってた。
昨日、市川君に悪い事したな…
その時、携帯がなった。メールだ。
そのメールはサヤカちゃんから。
『今、市川からメールがあった(^0^)来月、中央公園で花火大会があるから一緒に行こうって、この前来てた松田君覚えてる?松田君とリコちゃんと四人で行こうって、ソッコーいいよって返したんだけどよかった?』
サヤカちゃん嬉しそう。
『うん、花火大会楽しみだね。一緒に浴衣着ない?』
私、去年おばあちゃんが作ってくれた浴衣を頭に浮かべた。
『いいねo(^-^)o私、持ってないから買いに行く。その時つき合ってね』
サヤカちゃん市川君のためにおしゃれするんだろうな〜
そう思ってると、サヤカちゃんからもう一通。
『リコちゃんって好きな人いないの?松田君、リコちゃんの事かわいいって言ってたらしい…考えてみない?』
え?…松田君…?って…
名前は覚えてる。だけど、顔がおぼろげで…
……好きに?…翔ちゃん以外の人を?
考えもしなかった。ずっと翔ちゃんだけを見てきたし、男の子とあまり話したことなかったし、まして私をかわいいなんて言ってくれる人なんていなかったから。
翔ちゃんには彼女がいる。あきらめなきゃ…
…いいかも…他の人を好きになれば翔ちゃんを忘れられる…
『考えてみる』
私、送信しながら窓から見える翔ちゃんの家を見つめた…