月蝕-2
安住の地なんてないこと分かってる。
そんなの分かりきってる。
あたしはあんたなんか好きじゃない。
好きにならない。
「悪かった。だから泣かないで。」
あんたの腕に囲まれる。
あんたの温もりが
あんたの匂いが
あたしを包み込む。
「…あたしは追放されたくない。普通でいたい。」
「分かってる。」
神様
あたしは愛してません
愛してないから
どうか
手遅れになる前に
あたしか弟の
寿命を終わらせてください