好奇心と共に-2
「あー、じゃあそろそろ答えあわせを…」
高橋の声ではっとして、もう一度笠井のほうを見ると、何事もなかったかのように赤ペンを手に、解答を聞いていた。
いつもの“平凡な”笠井に戻っている。
まるで夢でも見ていたような気分だった。
しかし、情けなくも下着の中は先走りで気持ちが悪い。
あれは、あの動きはなんだったんだろう。
…その日から以前よりも笠井を目で追うようになった…
***
「あーめんどくさ…」
一人文句を言いながら資料室の整理をする。
誰も来ないB棟に、ほぼ唯一足を運ぶ図書委員の仕事である書籍整理。
この仕事も一年に一度くらいで間に合うものだから、普段は本当に誰も来ない。
まったくこんな仕事があるんなら決める時点で言えっての…
……あれ?
隅の棚にあった古い大きな辞典の間に、雑誌が挟まれていた。
いわゆる『エロ本』。
そういえば先輩が、ここは人が来ないから“そういう資料”を隠してるって言ってたっけ。
しょうもないなぁ。
半ば呆れながら机に置こうとしたとき、うっかりそれを落としてしまい、あるページが開いた。
………笠井に似てる………
見開きで載っていた女の子は、制服らしい衣装を着ていた。
下着を着けていない下半身を見せるように恥ずかしそうにスカートを持ち上げていて、その写真の子は少し笠井に似ていた。
もし笠井がこんなこと…
…いや、するわけないだろ
何考えてんだよ。
そう思いながらも下のほうは素直に欲望を主張していた。
以前に笠井を見たときの光景とリンクして、雑誌の子が笠井に見えてきて、俺は止めることが出来なかった。