『異常気象』-4
よく降ってんな、と呟いて、彼の顔がふと真顔になった。
「今日泊まっていい?お前んとこ。」
そんな風に見ないでよ。
よくそんなに目を合わせていられるものだと、つくづく感心してしまう。
「…いいけど。」
「………けど?」
「あたし、今日2日目なの。」
「……ぶっ…!」
はは、と笑い飛ばして、彼は改札へと歩いて行く。
慌てて後を追いかけるあたしに振り返って、彼は言った。
「でも泊まってく。」
そうしてあたしの最寄り駅に降り立った彼が、空を見上げて笑った。
嘘のように晴れ渡り澄み切った青が、そこには広がっていた。