気持ちの比例式(Renewal Version)-5
「イッた?」
意地悪な笑みを浮かべて聞いてきた。
「ズルイ…先…裕也ったら余裕なんだモン」
「俺、余裕じゃないぜ?」
「嘘です!」
「俺をよくしろよ、瑠華の体で…」
「えっ?」
瑠華が声を出した時にはもう下に組敷かれていた…。
瑠華の両足は裕也の肩に乗せられ、快感が最も奥に届くようにされた。
「っ…ぁっん…奥に…んっあ…たてる…っ」
「ヤバイ…」
裕也はそう言うと正常位にもどり速いピストン運動をした。
寝室には女の喘ぎ声、愛液に濡れた音、肉と肉がぶつかる音しか聞こえなかった。
「ゆ…ぅやぁ…もぉだ…め…っあ!んっい…っ…あっんあっ…イッちゃう…」
「俺も…っく」
「あっあっあんっあっう…い、いくぅー!!」
その同時に裕也も瑠華の中でゴムをしたままイッた。
―チュンチュンチュン―
―ミィーンミィーン―
「っ…ん〜…」
「ぉ……ぃ、ぉい…」
「…ん〜…」
「おい!起きろ瑠華!」
「……?!」
「いつまで寝てんだ?昼前だぞ」
「えっ?ん?…?キャー!先生あっち向いててください!」
私は慌ててシーツで体を隠した。
「わかった、わかった。早くこれに着替えろよ。昼飯外に食いに行くだろ?」
「えっ?あ、はい…。これに着替えるって?」
「とにかく着替えろ!」
と言い残して出て行った。
先生は恥ずかしがるというか、焦ってるというか、何と言っていいのかわからないケド、いつものクールさがなかった。
袋から中身を出すと……
私が前に先生と一緒に雑誌で見ていた服が入っていた。
私は急いで身支度を済ませた。
―ガチャガチャキィー―
寝室から出てリビングに行くと、ソファーに座って新聞を読んでいる先生がいた。
「先生♪ありがとうございます」
座っている先生を後ろから抱きしめて言った。
「その店に入るのスッゲー恥ずかしかった…」
新聞を読んだままの姿勢で言うところが何とも可愛いらしく感じてしまうのは私だけだろうか?
「何かスカート丈短くないか?」
「ん?心配してくれるんですか、先生?」
私は少し意地悪っぽく言ってみた。
「調子にのるな。それに首元にキスマークだなんてやらしい女…」
私はすぐに手で隠したが遅かった…。耳元で
「俺に勝とうなんて100年はやい」
言った後に意地悪そうな笑みで私に口付けた。
「さてと、行くか」
先生が言い終わった時に
―ピーンポーン―
インターホンの音が響く。
「誰だ?休みの日に…。すぐにでかけるから支度しとけよ」
と言い残して私の前から消えて行った。
「はい、どちら様?」
―ガチャ―
扉を開けると嫌な奴がいた。
「はぁ〜い♪裕也♪私よ私。」
「何しに来たんだ?帰れ。」
「っんもぉ〜裕也ったらつれなぁい。ねぇ?暇でしょぉ?ドライブしなぁい?」
「暇じゃない。暇だとしてもお前に使う時間はない。帰れ」
先生なかなか戻ってこないなぁ。誰なんだろ?宅配便ではないだろなぁ…。
ん?女の人の声?
私の足は玄関先に一番近いドアに進んでいた。
…あれ?聞いたことある声…
「ねぇ?まだ昔のコト怒ってるのぉ?」
「んなことはとっくに忘れた」
「嘘つかないで。あの時は私が悪かったわ…。ねぇ、裕也?」
この声…桜坂先生だ…。
昔?悪かった?
どういうこと?私はその会話に耳をかたむけた。
「悪いと思ってるなら今すぐ帰れ。」
「裕也、私、今でもあなたのコト愛してるの。ねぇ?」
「お前は過去の女だ。未練も何もない。あいにく、俺には彼女がいる。わかったら帰れ」
「昔からその性格は変わらないわね。そっ、じゃあ違う人とドライブに行くわ♪またねぇ〜裕也♪」
…う、嘘だ。先生が桜坂先生と付き合ってただなんて…。
まだ、桜坂先生が先生のこと好きだって…
「支度できたか?行くぞ?」
「ぃ…はい。」
私は先生の車の助手席に乗り込んだ。
「昨日はイタリアンだったから今日は和食でイイか?」
「……」
「ん?いやか?他に食いたいのでも?」
「えっ?ううん、和食がイイです♪」
「よし、じゃ決定。」
「先生?さっきのインターホンお届けものか何かですか?」
「いや、管理人がなんだこんだ言ってながくなった」「ふ〜ん。そうなんですか」
どうして先生嘘つくの…?まだ桜坂先生が好きなの?やっぱり高校生が彼女は嫌なんだよ…。
大人で綺麗な人が先生好きなんだ…。
先生の隣にいて似合うのはそんな人だもん…。
ごめんね先生…。
私は聞き分けのイイ優等生役しか演じれないの…。
―カシャカシャ…
私はそんなコトしか考えてなくてまわりには全く気がまわらなかった…。
これから大きな事件がおこるなんて予想もできなかった。