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「ボクとアニキの家庭の事情」
【同性愛♂ 官能小説】

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「僕とアニキの家庭の事情・5」-5

「・・・・・馨でもいぢめて発散しよ」
と、悶々と物思いに耽っていると―

━むにゅっ━

(・・・・・むにゅ?)
どうやら2日連続の痴漢遭遇らしい。
(ん・・・・?)
揉まれて?いる股間を見てみると、透き通るように白く細い指がわきわき動いている。
(・・・・・。)
「・・・何やってんの、円(まどか))」
半ば溜め息混じりにそう呟き、ヘッドホンを外しながら後ろを振り返ると、まるでフランス人形のような少年が立っていた。

━秋島(あきしま) 円
こいつもボクや馨と同じ中学出身で、アニキや馨の兄ちゃんが名付けるところの「3バカ」の1人だ。(物凄い不本意だけど)
フランス人形と言ったのは決して言い過ぎじゃなく、生まれつきメラニン生成能力を持たない、いわゆるアルビノってヤツで、銀色のアシメにした髪の毛に透き通るような肌。僅かに厚みのある紅色の口唇、そしてルビーみたいな真っ赤な瞳の美少年で、ぶっちゃけ「(黙ってれば)カッコカワイイ男の子」な馨が、猿山のオサルさん(序列3位くらい)にしか見えない程の美形ではあるんだけど・・・・・
「んー?チカンー」
・・・・中身は単なる変態だ。
「・・・・逮捕すんぞお前は」
半ば呆れながらツッコミを入れる。
「きのーのチカンみたいにー?」
・・・・・。
「なんで知ってんの」
「んー?ポチにきーたー」
円は悪びれもせず、むしろ未だに痴漢行為(?)を続けながら答える。
(・・馨シメる理由発見)
「・・・いつまで痴漢してるワケ?」
「タイホされるまでー?」
「なんで質問口調だよ。・・学年トップの秀才美少年が痴漢で補導ね」
「学年トップはこーデショー。いーぢゃん、びしょーねんをチカンしたびしょーねんほどーとか」
そう言って円はイタズラっぽく微笑う。
・・・・・。
ダメだこいつわ(苦笑)

「こーもあんましひとり言ばっかゆってるとタイホされるよー」
「うっさいボケ」
柳の枝のように皮肉を受け流す円に軽く立ち眩みを覚えながら、取り敢えず気を取り直す。
「・・そう言えば。何だかんだで逢うの久々だケド、お身体だいじょーぶデスカ?」
ジト目でそう聞いてみる。
「へーきー。トケツもしなかったしねー」
・・・・・。
こいつは生まれつき身体が弱い。血を吐いた事も何度かあるらしい。
そして飄々としたキャラクターから、どこまで本気なのかとか計りかねる事もしばしばあるケド、実際こいつの脳ミソの回転は相当早いと思う。
ここまで返答に詰まる返しを連打で出来るのは、決して偶然じゃないんだろう。
誉めてないケド。
「ツッコミ辛いコトをネタにすな。あ。そう言えば、今日は馨と一緒じゃないの?」
珍しい。馨と円は家が近い事もあって、円がちゃんと出て来る時は大体一緒なんだケド・・・・。
「んー?しらなーい」
「・・ケンカでもした?」
ケラケラと笑いながら返す円に、苦笑いを浮かべながら聞く。
「ケンカー?ケンカー、ケンカー・・・んー」
円は壊れたトーキー人形みたいに単語を繰り返しながら首をカクカク動かす。
「何だよ」
「んー。別になんでもなーい」
訝しむボクに向かって円はニッと笑う。


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