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「ボクとアニキの家庭の事情」
【同性愛♂ 官能小説】

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「僕とアニキの家庭の事情・5」-2

「ーっ・・・・・!!!?」
目を覚ますと、自室のベッドの上だった。
「・・・・・最悪」

寝汗が酷い。
今日は土曜日。時計を見ると、朝の6時を指している。
あの後、ボクらは浴槽にお湯を溜めがてら湯船に浸かり、冷えてしまった身体を温めた。
最もその間にアニキは寝てしまい、ボクは1人で自室に戻ったんだけども・・・・。
「あ」
そういえば、結局アニキはあのまんま湯船の中で爆睡したんだろうか・・・?
「やべ・・・・」
思わずボクは布団をひっぺかし、飛び起きた。
「・・・・・」
そして自分が何も着ていない事に初めて気付いたのだった―


「アニキっ」
取り敢えず、いつも家の中で着ているシャツとスパッツだけを履き、浴室のドアを開ける。
「あれ?」
しかしそこは予想に反し、もぬけの殻だった。
「・・・部屋?」

まさかとは思ったものの、アニキの部屋のドアノブに手を掛ける。
「アニ・・・・って」
そこでボクは改めて気付いた。
「・・・・どんな顔して、アニキに声かければイイんだろ・・・・・」
(形はどうあれ、ボクがした事はレイプだよね・・アニキは好きって言ってくれたし、最終的には合意?してたし、でも兄弟だし、でもヤっちゃったし・・・・・。)
色んな事が頭を巡り、段々訳が判らなくなって来た頃―

―ガチャッ

「・・え?」

ゴンッ

いきなり目の前のドアが勢い良く開き、ボクは思いっ切り頭をぶつけた。

「へ?」
間の抜けた声を上げ、ドアを開けた主が顔を覗かせた。
「こ、紅?」
「・・・・・。」
ぶつけた頭を両手で抑え、ボクはうずくまる。
「ちょっ・・紅、大丈夫か?!」
どうやら本気で焦っているらしいアニキがボクの顔を覗き込む。
「・・・・痛い」
言いながらボクは、額を押さえた手の隙間からアニキの顔を覗き見る。
「ゴメン、マジでゴメンな?あー・・・まさかんなトコにいるとか思わねぇし・・・うわマジでゴメン、ケガとかしてねえ?血とか出てないよな??」
「・・・うん」
アニキは本気で焦った表情をしながら声をかけて来る。
いつもみたいに優しくて、いつも通りのちょっと過保護なアニキ。
なんか、安心した。

「紅ーっ」
アニキは延々と人の名前を呼んでいる。
(―っていうか、別に海で溺れたヒト助けてんじゃないんだから・・・。)
段々と可哀想になって来て、ボクは額を押さえていた手を外す。と、物凄いすまなそうな顔をしたアニキの顔が目の前にあった。
「あ。なぁ、マジ大丈夫か?ホントごめんな・・・?」
「・・・・・。」
ボクは必死で謝って来るアニキをじっと見つめてみる。
「・・・紅?」
ボクの様子がおかしい(?)事に気付いたのか、アニキは心配そうな顔をする。
「・・まだ痛い。」
「!?」
ボソッと呟くと、アニキはまるで死刑宣告でも受けたような顔になった。
(・・・流石にイジメ過ぎたかな?)
「ウソ。もーへーき」
ボクは口の端を吊り上げながら額をゴシゴシ擦り、そう言った。が・・・。


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