好奇心より強く-3
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家に帰って下着を脱いで驚いた。
「やだ…こんなに…」
たっぷりついたぬるぬるの液が糸を引いている。
「愛液、だよ、ね」
こんなに出たことなかったのに。
明日齋藤にどんな顔で会えば良いんだろう…。
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次の日、昨日本を借り忘れたことを思い出して間抜けだと思いながらももう一度図書室に向かった。
「すいません、昨日借り忘れちゃって……えっ」
「はい、って、笠井か。」
齋藤!
昨日の光景を思い出して、顔と…それ以外のところが熱くなるのを感じた。
まずい。
私は突然後ろを向いた。
「何だよ、本借りに来たんじゃないの?」
「そうなんだけど…齋藤ここで何してんの?」
齋藤の顔が見られない。
「え、一応図書委員ですから。どの本?」
「えっと…これ」
題名が書いてあるメモを渡した。
「あぁ、これはB棟だな。」
そう言いながらメモを見る目が妙に色気がある気がして、どきっとした。
(なに、どきって…)
「もうそろそろ終わりだし、一緒に行くよ」
私の頭の中など知るはずもなく、斎藤はにっこり笑った。
「えぇっいいよ!」
「なんで、B棟結構ややこしいよ。暗くなってきたし。」
「でも…」
『暗くなってきた』という言葉で赤くなる自分が恥ずかしい。
「早く済ませちゃおうよ」
そう言うと、齋藤はすたすた歩いていってしまった。
***
「えーと、あった。これ?」
「うん、そう。ありがとう…」
相変わらず顔が見られなかった。
「…笠井今日変じゃない?」
「えっ」
「目、合わせようとしないし。俺、なんかしたかな?」
『なんでもない』と言うつもりだったのに、私の口は好奇心に邪魔された。